学習 連載 中学受験のツボ[社会編]

【小4社会/養蚕業】“経験者の視点”をもとに養蚕について解説します|中学受験のツボ[社会編]

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2023年3月24日 池田良輔

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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国語算数理科

地理や歴史の分野では、かつて日本の主要な農業・工業品目だった「繊維工業」について学びます。

しかし実際に経験がないと、面白みも感じられず、記憶に残りにくいかもしれません。

実は私は、祖父が農家をしていたおかげで農業経験が多くあります。そこで今回は“経験者”としての視点を織り交ぜながら、養蚕業についてお伝えしていきます。

養蚕の歴史

5世紀頃に大陸から伝わったとされる「養蚕」は、カイコガの幼虫を飼育し、蛹(さなぎ)の繭(まゆ)をとることを指します。

その繭から糸を取り出す過程が製糸、その糸で織った(製織した)布が絹織物です。中世まではこのすべての過程が、農民によって一貫しておこなわれていました。

ところが江戸時代には製織が、明治時代には製糸が、工業として分離していきます。以降は、農民がおこなうのは養蚕と、カイコのエサである桑(くわ)の葉の栽培のみになってしまいました。

さらには戦前には、農業において稲作と並んで広くおこなわれていた養蚕も、戦後に大きく衰えてしまいました。

カイコガの幼虫の飼育

カイコガの幼虫の飼育は、実は屋内でおこないます。私の祖父はその幼虫を「おカイコ様」と呼んで、大事に育てていました。

ところがエサやりの途中で一匹、

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池田良輔

池田良輔

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SRP教育研究所 文系主任。既存の学習塾への疑問からSRP教育研究所の立ち上げに参画、文系代表を務める。教育哲学・教育社会学・教育史学等の複合領域が専門基盤。ある思想家の「消費者マインドの助長や蔓延が教育を危機に向かわせている」という主張に共感し、「学びの活性化」を授業の最重要目的として、チャレンジを続ける。長野県の喬木村出身で、「関東地区喬木村ふるさと会」幹事でもあり、東京の自治体や私学のお子さんの、自然体験を通じた豊かな学びの機会創出を画策中。