学習 連載 中学受験のツボ[算数編]

【小6算数/学習のポイント】途中式を書かない子への声掛け|中学受験のツボ[算数編]

専門家・プロ
2023年5月10日 杉本啓太

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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国語理科社会

こんにちは、株式会社ORA-Trioの杉本です。

今回のテーマは、途中式を書かない子への声掛け

子供が途中式を書かず、計算まちがいをしてしまう……という経験をもつ親御さんは多いのではないでしょうか。

途中式を書いて自分の思考過程を伝える力は、たしかに大切です。ただし実際に式を書こうとするとスピードが落ちてしまう場合もあり、途中式なしでも計算まちがいをしない子もいます。

そのため私が思うに、すべての子に対して途中式を丁寧に書くように指導する必要はありませんが、「途中式を省略することで点数を落としてしまっている」という場合には、それを改善していくための働きかけが必要です。

そこで今回は、途中式を書かない子に悩んでいる方に向け、そうした子に声を掛けるときのポイントを解説します。

「何度言っても途中式を書いてこない」と悩む家庭は多い

うちの子は何度言っても途中式を書かず、計算まちがいや、見まちがいをしてくる……。

これは、多くの親御さんが抱える悩みですよね。強い口調で注意するとケンカになってしまう場合もあり、頭を抱えている方も多いのではないでしょうか。

「ほかの家庭は悩んでいないんだろうなぁ」と落ち込む方もいるかもしれませんが、実はこのような家庭は珍しくありません。

実際のところ、途中式の必要性を子供に伝え、書き方を指導するだけですぐに改善するケースは非常に稀。親子で口論になることも、よくある話です。

もちろん「ほかの家庭も一緒だから問題ない」というわけではありませんが、まずは「うちだけではない」と考え、焦らずに対処していくことが大切です。

対策と声掛けのコツ

「テストで途中式を書かない」という点は同じでも、子供の状態や、その原因はさまざま

そこで次のようなケースごとに、それぞれに合ったかたちで対策していきましょう。

  • 家では書くけど、塾での学習やテストのときは書かない
  • 家庭学習でも途中式を書かない
  • 横で見ているときは書くけど、ひとりで勉強しているときは書かない

では、いくつかの具体的な対策と声掛けを紹介します。

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杉本啓太

杉本啓太

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株式会社ORA-Trio代表。家庭教師。灘高校から東京大学理科二類進学、同大学農学部卒業。大学時代は社会教育団体にて子どもの教育支援に携わりつつ、家庭教師・塾講師としても活動。卒業後は外資・日系コンサルティングファームに勤務しながら、土日は家庭教師としての活動を継続。その後プロ家庭教師として独立。学科指導だけでなく、学習の計画策定・環境作り・親御様の関わり方・生徒の性格起因の課題など、抽象的な問題の整理と解決を得意とする。2023年2月、模試結果分析を中心とした家庭学習コンサルティングを手掛ける株式会社ORA-Trioを設立。