学習 連載 中学受験のツボ[社会編]

【小6社会/交通】中世以降に整備された交通網 ―― 現在の交通と比較してみよう|中学受験のツボ[社会編]

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2023年5月15日 池田良輔

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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国語算数理科

社会の勉強は、地理と歴史の知識を関連させて理解することがおすすめ。記憶の定着が良くなるばかりでなく、「なぜそうなったのか」を考えることで論理的思考力も磨けるからです。

今回は「中世以降に整備された交通網」と「現在の交通」に共通するポイントをピックアップして紹介します。

海上交通

まずは海上交通について。

古くから栄えた「瀬戸内航路」を見ていきましょう。

 

日本の首都が奈良や京都だったころ、遣隋使や遣唐使は、都に近い大阪あたりから出港し、瀬戸内海を通って関門海峡を抜け、博多・対馬を経由して朝鮮半島や中国に向かったそうです。

途中の広島には、平安末期、日宋貿易の安全を祈願して平清盛が厳島神社をつくったり、明治以降には日本海軍の基地が置かれたりしました。

博多近辺では「遠の朝廷(とおのみかど)」の異名を持つ大宰府があったり、江戸幕府と朝鮮王朝との交流の仲介を対馬藩が担ったりと、後々まで重要な役割をもつところも数多くあります。

八幡製鉄所」がつくられた理由も、その地が鉄鉱石の産地であったことから、鉄でつくられた武器が使用される中国にアクセスしやすい、という側面がありました。

西廻り航路・東廻り航路

江戸時代には、商業の発達のために次の航路が開発されます。

西廻り航路
日本海と瀬戸内海を通り、大阪につながるルート

東廻り航路
日本海から津軽半島を経由し、太平洋に抜けて江戸につながるルート

波の穏やかさや、海流に乗って進める方向性によって、どちらかと言うと西廻りのほうが栄えました。そのため、

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池田良輔

池田良輔

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SRP教育研究所 文系主任。既存の学習塾への疑問からSRP教育研究所の立ち上げに参画、文系代表を務める。教育哲学・教育社会学・教育史学等の複合領域が専門基盤。ある思想家の「消費者マインドの助長や蔓延が教育を危機に向かわせている」という主張に共感し、「学びの活性化」を授業の最重要目的として、チャレンジを続ける。長野県の喬木村出身で、「関東地区喬木村ふるさと会」幹事でもあり、東京の自治体や私学のお子さんの、自然体験を通じた豊かな学びの機会創出を画策中。