学習 連載 中学受験のツボ[社会編]

【小5社会/工業】鉄鋼業と、製紙・パルプ工業についておさらいしよう|中学受験のツボ[社会編]

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2023年8月31日 吉崎 正明

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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国語算数理科

こんにちは、吉崎です。

今回のテーマは「工業」。

とくに、鉄鋼業製紙・パルプ工業に絞って解説します。

鉄鋼業

鉄鋼業は、鉄をつくる工業です。

鉄はかつて「産業の米」と呼ばれるほど、日本経済の中心でした(現代の「産業の米」は半導体)。

 

鉄は、石炭・鉄鉱石・石灰石を使って、以下のようにつくられます。

  1. 石炭を蒸し焼きにする(蒸し焼きにしたものは「コークス」と呼ばれる)
  2. コークス・鉄鉱石・石灰石を高炉に入れて溶かす(このとき、鉄鉱石から不純物が分離する)
  3. 溶けた鉄(銑鉄)を高炉から取り出す
  4. 転炉で酸素を吹きつけ、不純物をさらに取り除く
  5. カタチを整えて完成

 

鉄の原料のうち、石炭と鉄鉱石はオーストラリアなどからタンカーで輸入されます。

オーストラリアは日本の真南に位置する国のため、単純に考えれば日本の太平洋側にタンカーが向かってきます。当然、このことから太平洋側に工場が集まっており、この様子は「太平洋ベルト」とも表現されますね。

 

鉄の原料・製品ともに重量があるため、タンカーと陸地の間で、積み下ろしが簡単におこなえる海岸沿いに、鉄鋼業がさかんな都市が集中しています。

室蘭市・君津市・川崎市・和歌山市あたりは確認しておくと良いでしょう。

 

ちなみに、場所を覚えるためのイメージ的な話をすると、海岸が“とがっている”場所に、とくに入試で出題されやすい「鉄鋼業がさかんな都市」がある気がします(室蘭市・君津市・川崎市・和歌山市が当てはまります)。

もちろん、すべてがそうではありませんので参考程度に。

 

※画像をクリックで拡大できます

 

製紙・パルプ工業

製紙・パルプ工業は、明治初期から続く、歴史がある工業です。

パルプとは木材からつくる“チップ”のようなもので、紙の原料となります。

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吉崎 正明

吉崎 正明

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現役塾講師。都内中学受験塾で社会・国語を担当。12年間在籍した大手進学塾では中学受験難関選抜ゼミ担当を歴任、社内数千名が出場する「授業力コンテスト全国大会」で優勝経験あり。その後家庭教師を経験し、2019年より現在に至る。指導方針は「正しい学習姿勢で、楽しく成績を伸ばす」。また、社会では「センス不要。イメージを作って考える」授業を実践しており、中学受験ナビでも「イメージで覚える中学受験歴史」を執筆。茨城県行方市出身。