連載 三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」

必要とされる教育に出会うために|三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」(10)

専門家・プロ
2016年7月13日 大橋清貫

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※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。

何年か前には保護者の方から「まさかあの学校がこんなに難しくなっているとは、昔は全然違いましたよ。」とよく聞くことがありました。

保護者世代の方には驚きの姿なのでしょう。無理もありません。偏差値で下から数えて何番目という学校が上から数えて何番目になっているのですから。最近あまり聞かれなくなったのは、こんなことがそう珍しくはなくなったからかもしれません。

さまざまな努力で大学合格実績を著しく伸ばした学校の評価が高くなるのは誰もが納得がいきます。なにしろ数字が出ていますから。

春ともなれば受験メディアが競って速報を出しますから、保護者の方の目にも止まります。しっかりしたデータですから信頼に足ります。なかには、合格実績よりも進学実績を出せばよいのにというメディアも少なくありません。

一人でいくつも合格する稼ぎ頭がいますから、なかなかその数通りというわけにはいきません。現状では国立大学の合格実績は学校の大学合格力を見る指標に一番近いとしばしば言われています。いずれにしても大学合格実績を出すことで中学高校の評価があがっていったことは間違いありません。

しかし、どうもそのデータだけでは、わが子の教育を託す判断をするのに物足りないと考える方が増えてきているのも事実です。

何度か書かせて頂いたように「社会に出て活躍するための基礎力を中高時代に身につける。」と考える方が増えてきている気がします。

少し大げさに言えば、そんな教育を選びたいという時代ニーズがあるのかもしれません。仮にそんな考えで学校選択を考えている保護者の方は、どのようにしてそんな学校に辿り着くのでしょうか。ひとつには口コミ、ひとつには実際に足を運んで、自らの目で確かめるといったところでしょうか。

私は少々変わっていて「見抜くパターン」があると思っています。

・学校案内に気持ちが入っているか
・説明会でリーダーが自分の言葉で語っているか
・その学校に一体感があるか

この3点を気にしてみています。

通り一遍の学校案内はその学校を示しています。広報のスタッフに溢れる気迫があれば出てくるものは違います。きれいな、そつのない上手な学校案内とは明らかに違います。説明会でリーダーが何を語るかです。強いリーダーシップがそこにあり、強い意志があることが大事です。

そうでなければこの時代を乗り切るだけの教育を生み出せるものではありません。21世紀社会で活躍できる能力を学校教育で身につけるにはそれが不可欠だと思います。

最後に、その思いをともにする一体感が学校にあるかどうかは、説明会の日の先生方の表情を見ればわかります。学校が目標に向かいひとつになっていれば、空気が違います。そんな学校に出会うことができれば受験勉強のモチベーションはあがりますし、中学受験をスタートしたときの意味を再認識することができるのではないでしょうか。

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※記事の内容は執筆時点のものです

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