学習 連載 中学受験のツボ[国語編]

【小5国語/実践】論説文の問題を解いてみよう(基本編)|中学受験のツボ[国語編]

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2023年12月02日 松尾吉久

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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算数理科社会

こんにちは、松尾です。

今回は、基本的な難易度の問題を使いつつ、「論説文の問題」を解く流れを実践形式で解説します

論説文の読み方

論説文には難しい語句や表現が多く出てくるので、苦手としている子は多いでしょう。

そして、こうした生徒にどのように文章を読んでいるか確認すると、「意味がわからない部分があったので、そこを何度も読んでいた」と答えます。結果として文章を読むのに時間がかかり、問題が解き終わらないことが多いんですね。

とはいえ、そもそも実際の国語の問題は、文章の意味が多少わからなくても答えられる問題が少なくありません。「問い」を確認しつつ、問題を解くときに文章を確認することで、内容の理解が深まることもよくあります。

 

そこで私は「文章の内容をすべて完璧に理解する必要はない」「なんとなくでも良いから最後まで読み進めて、とにかく問題を解こう」と生徒たちに伝えています。

まじめな子ほど「ちゃんと理解しないといけない」と考えてしまうので、まずは文章の内容をザックリとで良いので理解する、ということを意識させてあげたいですね。

論説文の問題

【本文】

 日本人は読書好きな国民だと言われる。実際、日本でよく目にする通勤通学途中の車内での読書風景も、海外で見ることは稀である。そして、親はなにかと子供に読書をすすめたがる。では、読書とは何かと問われれば、本を読み、文章に書いてあることを理解し、自分のなかで受けとめ、しっかりまとめることである。aこのように読書とは書かれている内容をとりだし理解することだと、考えられることが多い。

 【 A 】、bこのような考え方が、子供たちを読書から遠ざけているのではないだろうか。実際のところ、読書とは本を読むことではなく、本に親しむ習慣のことだと思う。ものにあふれた情報社会の現代では、本を読む必要はなく、内容を理解できなくても大きな問題にはならない。読書の出発点となるのは、自分の生活のなかにとりあえず一冊の本を持ち込むということであり、日常のなかに本があるということだ。

 読書によって得られるのは、内容の理解ではなく、生活のなかに本があったという日々の記憶であり、感覚である。

(筆者作成)

 

1、指示語の問題

<問1>
傍線部a「このように」が指す部分を本文中から探し、最初と最後の5字を答えなさい。

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松尾吉久

松尾吉久

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進学塾MIC代表。駿台池袋校、駿台シンガポール、LEC、MICなどの進学塾で20年間最難関クラスを担当指導。高校受験・中学受験で、開成、灘、首都圏早慶附属校に80名以上の合格者を出した実績を持つ。