学習 連載 中学受験のツボ[社会編]

【小5社会/歴史】日本はどうやって「近代国家」になっていった?|中学受験のツボ[社会編]

専門家・プロ
2023年12月30日 井上佳之

0
保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
- 社会以外の3教科はこちら -

国語算数理科

こんにちは、井上です。

ヨーロッパの「近代国家」と呼ばれる国々は、革命によって王の支配から逃れ、国の在り方を憲法によって国内・国外に示すことで近代国家となりました。

では、日本はどのように近代国家へと変化したのでしょうか?

 

近代国家に仲間入りをしていく日本の様子は、中学入試でも出題されることが多い分野ですが、少し複雑なので覚えにくいですよね。

そこで今回は「5つの時期」に分けることで、変化の過程をわかりやすく解説します。

「何年ごと」に出来事が起きたのかをもとに、流れ出来事の名前を覚えることも意識してみてくださいね。

1、幕府・大名(藩)に対しての改革

まずは「幕府・大名(藩)」に対しての改革が、2年ごとに実施されました。

大政奉還と版籍奉還に関しては、「だれが」「なにを」「だれに」返したのかも覚えましょう。

1867年 大政奉還(ここまでは江戸時代)
幕府が政権を朝廷に返した

1869年 版籍奉還
各大名が土地(版)と人民(籍)を新政府(天皇)に返した

1871年 廃藩置県
政府が「藩」をなくして「県」を置いた
年号は「これからは藩とイワナイ(1871)県と言う」と覚えよう

 

2、市民に対しての改革

次に、市民に対する改革がおこなわれました。

先ほどの「幕府・大名(藩)に対しての改革」から、徴兵令・地租改正が実施された1873年までは、すべて2年ごとに起きています。

1873年 徴兵令
満20歳以上の男子に兵役の義務を課した

1873年 地租改正
土地の所有者が、地価(土地の値段)の3%を現金で納税するしくみ

 

3、「言論」による反撃が始まった

1800年代後半の日本では、政府への「言論」による反撃がはじまり、「武力」による反撃が終焉を迎えました。

続きは会員の方のみご覧いただけます

0
井上佳之

井上佳之

  • 専門家・プロ
  • この記事の著者

学習塾伸学会講師。中学受験講師歴は30年に及ぶ。教室や地域の責任者として受験指導、保護者説明会・面談対応、カリキュラム・教材の作成等に携わる。東京・神奈川・埼玉・千葉の御三家をはじめとする、ほぼ全ての難関校に生徒・保護者を送り出した経験をもつエキスパート講師。社会科は、これから大人になる生徒の生きる力にもなりうる科目であり、家族の会話を豊かにし、他科目の学習意欲にも火をつける魔法の力を秘めていると考えている。