学習 連載 中学受験のツボ[社会編]

【小6社会/歴史】満州事変から第二次世界大戦終結までのまとめ|中学受験のツボ[社会編]

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2024年2月11日 井上佳之

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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国語算数理科

こんにちは、井上です。

半年間学習してきた歴史も、終盤に差しかかっています。

今回のテーマは「明治・昭和時代」。

平安時代に比べると明治・昭和時代の年数はずっと短いのに、学習内容は多いですよね。

なぜなら、毎年どころか、日付で理解しないといけない出来事も登場するからです。

多くの学習内容をスムーズに理解できるように、これから紹介する「時代の特色」と「年号」をぜひ押さえておきましょう。

時代の特色(1)世界恐慌から軍国主義化へ

まずは、大正時代の復習からです。

 

第一次世界大戦中、日本は「大戦景気」によって豊かになりました。

そして「政党政治」が本格化し、民衆は自分たちの意見を代表する政府に期待しました。

 

ところが第一次世界大戦中、それほど戦争の被害を受けずに利益を得たアメリカや日本は、戦争が終わって“破壊”がなくなると、つくり続けていたモノが売れなくなります。

そして「生産にお金を使いすぎた反動」によって、景気が悪くなっていきました。特にアメリカは世界で最もお金持ちになっていたので、その反動はとても大きく、世界中に影響を与えるほどの“大不景気”が起きたのです。

 

昭和になり、日本も大きく不景気の影響を受け、大正時代から続いていた「大戦景気」は終わってしまいます。

さらに、不景気を利用して利益を得ていた財閥(ざいばつ)を保護する政策をとったため、その当時の政治は民衆からの支持を失ってしまいました。

こうして民衆の支持は「政党政治」ではなく、「軍隊」へと移っていったのです。

これが軍国主義化への第一歩となり、1931年から1945年までの15年間、中国との戦争状態に入っていくことになります。

1929年~1938年の主要な出来事

この時代の主要な出来事と、それぞれの年号を覚えておきましょう。

1929年……世界恐慌
アメリカ・ニューヨークのウォール街で、株価が暴落しました

1931年……満州事変
「1(い)・9(く)・3(さ)・1(はじまる)」と覚えましょう

1932年……五・一五事件
まずは「海軍」によって、犬養毅首相を暗殺する事件が起きました
(満州事変の翌年の出来事)

1936年……二・二六事件
つぎに「陸軍」により、東京が一時制圧されます
(日中戦争の前年の出来事)

1937年……日中戦争
「1(い)・9(く)・3(さ)・7(ながびく)」と覚えましょう
(日中戦争のなかで「南京事件」が起きました)

1938年……国家総動員法
戦争に備えるため、政府は議会の賛成なく、国民から物資を運用できるようになります

 

時代の特色(2)第二次世界大戦で世界中の国々と戦う

第二次世界大戦が始まった当初、日本は有利に戦いを進めていました。

しかし、アメリカを中心とする「連合国」側の圧倒的な物量と情報量の前に、あっという間に劣勢に立たされます。

1945年の終戦頃には、アメリカを中心とする連合国はもちろん、同盟国であったイタリアまで、なんと世界50か国以上が日本に対して宣戦布告をしています。

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井上佳之

井上佳之

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学習塾伸学会講師。中学受験講師歴は30年に及ぶ。教室や地域の責任者として受験指導、保護者説明会・面談対応、カリキュラム・教材の作成等に携わる。東京・神奈川・埼玉・千葉の御三家をはじめとする、ほぼ全ての難関校に生徒・保護者を送り出した経験をもつエキスパート講師。社会科は、これから大人になる生徒の生きる力にもなりうる科目であり、家族の会話を豊かにし、他科目の学習意欲にも火をつける魔法の力を秘めていると考えている。