【小5理科/地震】震源の位置を突き止める「大森公式」|中学受験のツボ[理科編]
地震が起こると、たいてい5分以内には地震速報が出ますよね。
そして「各地の震度」や「地震の規模(マグニチュード)」、さらには、どこで地震が起こったかという「震源の位置」も発表されます。
でも、地震は地下深いところで起こるので、地震が起こっている場所を直接見ることはできません。
では、「震源の位置」はどのように突き止めているのでしょうか?
実は、その震源の位置を特定するために使う「大森公式」という公式があるのです。
2種類の揺れ
問題
地震の「2種類の揺れ」ってなに?
地震の揺れは、大きく次のふたつに分けられます。
初期微動(しょきびどう)
地震の初期に来る揺れ。主要動に比べると弱い(微細な)動きをする
主要動(しゅようどう)
初期微動の後から来る揺れ。いわゆる“地震のメインの動き”
このふたつの揺れは、伝わる時間だけでなく、揺れ方も異なります。
初期微動は「縦揺れ」という揺れ方です。簡単にいうと、地面が上下に動くことが多い揺れ方ですね(※)。
それに対し、主要動は「横揺れ」という揺れ方です。地面が左右に揺れることが多い揺れ方をします。
この縦揺れと横揺れは、それぞれ一定の速さで伝わってきます。ところがその速さは異なるため、揺れが伝わってくる時刻に差が出ます。
そして、この時刻の差に注目し、揺れを観測した地点から、震源までの距離を調べる公式が「大森公式」なのです。
※本来は、波の進行方向と同じ向きの振動が「縦揺れ」、進行方向に垂直な向きの揺れを「横揺れ」といいます。ただし多くの場合、縦揺れは地面が上下に動くことが多く、横揺れでは地面が左右に揺れることが多いため、ここではこのような書き方をしています
解答
初期微動・主要動
大森公式
問題
大森公式の算式は?
たとえば、縦揺れが秒速8km、横揺れが秒速4kmで伝わるとします。
このとき、震源からの距離がx kmの地点では、縦揺れは地震の発生から(x÷8)秒後に伝わります。
そのあと、地震の発生から(x÷4)秒後に横揺れが伝わることになります。
そして、この時間の差は(x÷8)秒となります(※)。
この地点で、縦揺れが始まってから、横揺れが始まるまで5秒かかったとします。
すると、x÷8=5なので、x=40kmとなりますね。
このように、伝わった時間の差をもとにして「震源までの距離」を求められるのです。
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