【小5理科/生物】受粉から受精までのプロセス ―― 植物の”恋物語” を覗いてみよう|中学受験のツボ[理科編]
理科講師兼受験アドバイザーの山崎です。
前回の記事では、植物のなかでも特に魅力的な部分である「花」の構造と、その機能を整理しました。
今回は、受粉から受精までのプロセスに絞って解説します。
受粉のプロセス ―― 花粉の生成と移動
まずは、次の2点について見ていきましょう。
- 花粉はどのようにつくられるか
- 花粉はどのように移動して、受粉へとたどりつくのか
植物の生命サイクルにおいて、受粉はまるで“恋の物語”のような魅力的な段階です。
おしべの「やく」でつくられる花粉は、遺伝情報を含んでおり、植物の生殖に不可欠なものです。
そして、花粉は風や虫、ときには水や動物によって運ばれますが、こうした移動は植物が生きていくために重要です。
たとえば「風」によって受粉をする植物の花粉は、軽くて乾燥しています。そのため、風に乗って遠くまで飛んでいけるのです。
では、虫と風による、それぞれの受粉のメカニズムを見てみましょう。
1、虫による受粉の特徴
虫たちは「花の蜜」を求めて訪れ、その過程で花粉を次の花へと運びます。まるで、自然の郵便屋さんのようですね。
植物は、昆虫を引き付けるために様々な戦略を使います。
例:鮮やかな色、特有の香り、甘い蜜、特定の花の形をしている
(こうした特徴は、特定の昆虫を対象として進化してきた)
昆虫は花の蜜や花粉を食料として利用しますが、この際、昆虫の体に花粉が付きます。
その後、昆虫が別の花を訪れるときに、この花粉が新しい花のめしべに移動し、受粉がおこなわれます。
受粉の確率を高める工夫
一部の植物と昆虫は互いに強く結びついており、それぞれに特化した受粉関係を形成しています。
たとえば、ある種のハチやチョウは特定の花の形状や色に特化しており、これらの花にもっとも効率的に受粉をおこないます。
このような“特化”は、受粉の成功率を高め、植物が生き抜き、繁殖するうえで不可欠です。
虫による受粉の重要性
虫による受粉は、多くの植物種の生存にとって重要です。
また、多くの昆虫・動物種の食料である、リンゴ、桃、梨、キュウリ、トマト、アーモンドのような果物や、野菜の多くは、虫による受粉でつくられます。
人間にとっても、虫による受粉は非常に大切です。なぜなら多くの農作物の栽培は、虫による受粉を利用しているからです。
そのため受粉がなければ、食料生産に大きな影響が出る可能性があります。
虫による受粉は、単に植物が繁殖するためのプロセスの一部、というだけではありません。実は、
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