学習 連載 中学受験のツボ[理科編]

【小5理科/生物】花の不思議な世界 ―― 構造、受粉、受精の秘密|中学受験のツボ[理科編]

専門家・プロ
2024年2月04日 山崎翔平

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説。
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国語算数社会

理科講師兼受験アドバイザーの山崎です。

 

子供たちの学びは、日々、小さな発見と喜びに満ちていますよね。

自然界の魅力に触れることは、科学への興味を育み、中学受験への道も明るく照らしてくれます。

 

今回のテーマは「自然のなかの小さな驚き」。

特に「花のつくりと受粉・受精」について見ていきます。

具体的には、花の美しい構造から、受粉の不思議なプロセス、そして受精に至るまでの物語を、親子でいっしょに楽しく学べるように紹介していきます。

この記事が、お子さんの好奇心をくすぐり、学ぶ喜びを深めるきっかけになれば幸いです。

おしべ・めしべ

植物には、さまざまな役割を持つ“つくり”があります。

そして「花」は、自然のなかで最も美しい奇跡のひとつ。それぞれの部分が独自の役割を持ち、生命のサイクルを豊かにしています。

 

そもそも花は、植物が「種子」をつくるためのつくりをしています。

種子をつくるのに必要なつくりは、めしべおしべですね。

花のなかには、おしべだけの「お花」や、めしべだけの「め花」もあります。また、めしべとおしべ、花弁やがくがすべて備わっている花を「完全花(かんぜんか)」といいます。

おしべと花粉の生成

おしべは、花の中心にある小さな工場のようなものです。ここで、生命の継続に必要な花粉が生み出されます

花粉が遠くへと旅をして、新しい生命を育んでいるのですね。

また、花粉をつくるところを「やく」といいます。

めしべと種子の形成

めしべは、花のなかでとても重要な役割を果たしている部分です。

それはまるで、新しい命を育む家のようなもの。この小さな空間で花粉と卵細胞が出会い、新しい生命の物語が始まります。

 

以下、めしべに関連する言葉をまとめて紹介します。

柱頭

めしべの一部である「柱頭」は、花粉が最初に接触する場所です。

柱頭は、花粉をとらえるために粘り気のある構造を持っています。そして花粉が柱頭につくと花粉管が成長し始め、卵細胞に向かって伸びていきます。

胚珠

めしべの奥深くには「胚珠(はいしゅ)」があります。

胚珠は種子の前身となる部分で、卵細胞を含んでいます。受精が成功すると、胚珠は種子に発展します。

種子

種子は、その内側に新しい植物の生命を包んでいます。そして適切な条件がそろうと発芽し、成長を始めます。

被子植物と裸子植物

種子をもつ植物の世界には、大きく分けて「被子植物」と「裸子植物」のふたつのグループがあります。

被子植物は、種子が果実に包まれている植物のグループです。たとえば、リンゴやサクラなどが挙げられます。

裸子植物は、種子が露出している植物のグループです。マツやスギなどがこれに含まれます。

花弁・がく

次に、花の外側にある「花弁(かべん)」と「がく」について見ていきましょう。

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山崎翔平

山崎翔平

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SRP教育研究所 学習アドバイザー。(株)amici 学習アドバイザー。元アオイゼミ講師。首都圏および九州の学習塾などで理科の指導をする傍ら、学習アドバイザーとして、学習方法や学習習慣づけの指導も行っている。 高校受験、中高一貫校、大学受験、医学部受験も担当とし、小学校範囲にとどまらない、小中高一貫指導を得意とする。 「なぜ」を大切にし、身のまわりの現象を「ひもとき」体系的に指導し、楽しくなきゃ勉強ではない、続けることが大事だというのがモットー。