学習 国語

精読で国語力を向上させるには? 文章を細部まで読ませるときに確認すべき7つのこと

2024年3月20日 みみずく

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国語が苦手な子どもの多くは、文章を読むことに苦手意識があります。テストでは、本文を読むのに時間がかかり、その割に全く内容を理解できず、焦って当てずっぽうで解答することになりがちです。このような子どもの国語力向上に役立つのが「精読」です。学校や塾では難しい精読を家庭で実践しましょう。

精読とは? 学校や塾では精読が難しい

精読とは、一語一語、一文一文を確認しながら、文章の細かいところまで理解しながら読んでいくことです。学校の国語の授業では、文章を精読するよりも、感想や意見を言ったり、話し合いをしたりすることに時間を費やします。一方、塾の国語の授業では、本文内容の解説や問題の解き方がメインで、精読になっていないことがほとんどです。したがって、家庭教師や個別指導を利用しない限り、精読は家庭で行っていくしかありません。

精読で確認すべき7つのこと

家庭で子どもに精読させる場合、以下で紹介する7つのことを保護者が確認していくと、子どもの国語力を伸ばす上で効果的です。

1. 音読:途中でつっかえないでスラスラ読める?

子どもが文章をスラスラ読めるかどうかをチェックしましょう。子どもがつっかえる箇所は、子どもが理解できていない箇所である可能性が高いので、そこを重点的に解説します。また、音読は飛ばし読みや読み間違いを子どもに自覚させる効果もあります。子どもは「~をしている」を「~する」と読んでいたり、さらには「~することがない」を「~することがある」と逆の意味に読んでいたりします。

2. 言葉:言葉の意味や使い方は本当にわかっている?

子どもが知らない言葉は意味を教えるか、辞書を引かせましょう。いずれの場合も、まずは「この文章の中ではどういう意味だと思う?」と質問し、子どもに文脈から意味を推測させることが大切です。子どもが言葉の意味を理解した後は、その言葉の言いかえを考えさせたり、例文を作らせたりして、その言葉の使い方も確認します。

3. 文法:主語と述語、修飾語と被修飾語はどれ? 指示語は何を指している?

文章を正しく読むのに必要な文法を確認しましょう。ただし品詞の分類や用言の活用といった細かい文法知識を覚えさせる必要はありません。「この『泣いた』の主語は誰?」などと子どもに質問して、「どれが主語で、どれが述語か?」「修飾語がどこにかかるか?」を把握させれば十分です。また、「『これ』は何を指しているの?」と質問して、指示語の指示内容を明らかにするのも大切です。

4. 文章構造:どこが著者の主張で、どこが根拠で、どこが具体例かな?

説明文や評論文では文章全体の構造を把握させましょう。保護者は子どもに「どこが筆者の主張で、どこが根拠で、どこが具体例かな?」と質問して、それぞれの段落にどのような効果があるのかを考えさせます。こうした構造を意識しながら文章を読めると、メリハリをつけて読めるだけでなく、解答の根拠を探すのも速くなります。

5. 表現技法:物語文の表現から何が読みとれるかな?

物語文では表現技法に着目させて、それにどのような効果があるのを考えさせましょう。比喩や倒置法といった技法をチェックするだけでなく、登場人物の言動も情景も細かく見ていくことが大切です。「この登場人物は何のためにいるのかな?」「この情景描写は何を意味するのかな?」などと子どもに質問し、これらが心情の変化などとどう結び付いているのかを理解させましょう。

6. 要点・主題:段落や場面を短くまとめるとどうなる?

文章全体を通読させた後は要点や主題を40字程度にまとめて口頭で言わせましょう。まずは、各段落の要点やある場面における心情などを言わせます。その上で、文章全体の要点や主題を言わせます。大事な箇所を的確に把握して、それをわかりやすい言葉で伝える要約の訓練を継続することで、子どもの国語力は飛躍的に向上するでしょう。

7. 背景知識:文章を深く理解するためには、何を知っているべき?

文章を深く理解するのに役立つ知識にも話を広げていきましょう。地球温暖化に関する評論文ならば、地球温暖化に対する各国の取り組みや地球温暖化以外の環境問題なども紹介します。最新のニュースも併せて読ませるとよいでしょう。一方、戦時中の少年を描いた物語文ならば、当時の生活や政治などについて解説します。「防空壕」「集団疎開」といった言葉を知らないと理解できない場面もあるはずなので、これらの言葉についても教えましょう。背景知識を通して他の科目の勉強にもなるでしょう。

精読を通して親子の会話を充実させる

子どもに文章を精読させると、子どもの意外な面が見えてきたり、親自身も意外と文章を理解できていないことがわかったりします。こういう発見をきっかけにして親子の会話を充実させると、無味乾燥になりがちな国語の勉強が楽しくなるはずです。

※記事の内容は執筆時点のものです

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