【小4理科/物理】光の基本的な性質|中学受験のツボ[理科編]
こんにちは。
理科講師兼受験アドバイザーの山崎です。
私たちの生活にとって、光は不可欠な存在です。
朝、太陽が昇るときから、夜、部屋の灯りを消す瞬間まで、光は私たちの周りに常にあります。
しかし、このあたりまえに感じている光には、興味深い性質や原理が隠されています。
そこで今回は、光についての基本的な知識を紹介します。
モノが見える仕組み
私たちがこの世界を見ることができるのは、光のおかげです。
光は、太陽や蛍光灯のような「発光体(みずから光を放つ物体)」から出ています。
そして椅子や机のような「光を出さない物体」に当たり、そこから反射します。そしてこれが私たちの目に入ることで、物体の存在を知ることができるのです。
たとえば窓から朝日が差し込むと、部屋のなかのモノがはっきりと見え始めますね。これは「発光体」の太陽から出た光を部屋のなかのモノが反射し、私たちの目にその像を送っているからです。
一方、夜になって部屋の蛍光灯をつけると、今度は蛍光灯が「発光体」となります。そして、その光が物体に当たって反射することでモノが見えるんですね。
このシンプルな事実が、私たちがこの世界を“見る”ということです。
光がなければ、私たちはまわりの世界を見ることができないのです。
光はまっすぐ進む
光にはいくつかの重要な性質がありますが、特に基本的な性質といえるのが「光はまっすぐ進む」ということです。
光は障害物にぶつかるまで直線的に移動する、という意味ですね。
この性質を利用して、私たちは光と影の関係を知ることができます。
たとえばランプの光の前に手を置いてみると、手の影が壁にできます。これは、光が“手の形”を描いて直進し、手の後ろに影をつくるからです。
この簡単な実験から、光がどのように動くかがわかります。
光が直進する性質を利用した、もうひとつおもしろい例が「ピンホールカメラ」です。
ピンホールカメラの小さな穴に光が入ると、その光はまっすぐ進み、穴の向こう側の壁に“逆さまの像”をつくります。この現象から、光がどのように物体から、目やカメラに向かっているかわかります。
ピンホールカメラは自宅でもつくれるので、時間があるときにつくってみても良いでしょう。
反射と屈折
次に知っておきたいのが、光の「反射」と「屈折」です。
これらは、光が異なる物質に当たったときに起こる現象で、私たちのまわりの世界を見るうえで非常に重要な役割を果たしています。
反射
反射とは、光が物体の表面に当たり、その物体からはね返る現象です。
もっとも身近な例は、鏡に映る自分の姿ですね。
鏡の表面は光を効果的に反射させるようにつくられており、光が鏡に当たってはね返ることで、私たちの目には反対側から来たかのように見えます。
この原理を利用して私たちは自分の顔を見たり、光を特定の方向に反射させたりできます。
自宅で簡単にできる「反射」の実験
- 懐中電灯を用意して、壁に光を当ててみます
- すると光は壁から反射して、部屋の別の箇所を照らします
屈折
屈折とは、空気 → 水のように、光が「異なる媒体」に入るときに方向が変わる現象です。
異なる媒体が、光を異なる速度で進ませるために起こる現象ですね。
たとえば水中にストローを入れると曲がって見えますが、これも光の屈折によるものです。
レンズを通る光も、屈折のひとつの例です。
レンズは特定の形状によって、光の進行方向を変えられます。これを利用して、メガネや顕微鏡、望遠鏡などが私たちの視力を補助したり、遠くの物体を近くに見せたりしているのです。
自宅で簡単にできる「屈折」の実験
- 水を半分入れたグラスを用意します
- そのグラスの後ろに、文字が書かれた紙を置きます
- 水を通して文字を見ると、文字が大きく見えます(水がレンズの役割をして、光の屈折によって文字が拡大されることで起きる現象です)
まとめ
今回は、光の基本的な性質を紹介しました。
この記事を通して、次のようなことが少しでも理解できたのであれば幸いです。
- モノが見える仕組み
- 光の「直進する性質」
- 反射や屈折の仕組み
私たちの生活に欠かせない「光」の性質を理解することは、理科の学習においても非常に重要です。
今回紹介したような実験や観察を自宅でしてみることもおすすめです。学んだことを“実践”に移すことで、学習効果はさらに高まるでしょう。
科学の世界は、無限の不思議で満ちています。
光については基本的な性質から学習を始めつつ、ゆくゆくは子供たちが、この驚くべき世界を探求する旅にみずから出ていくことを願っています。
※記事の内容は執筆時点のものです
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