学習 連載 中学受験のツボ[理科編]

【小5理科/化学】溶解度を正しく理解しよう|中学受験のツボ[理科編]

専門家・プロ
2024年5月13日 倉石圭悟

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説。
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国語算数社会

こんにちは、倉石です。

中学受験の理科には、さまざまな計算問題が出てきます。

今回のテーマである「溶解度の計算」もそのひとつです。

 

溶解度の計算が苦手という声はよく聞きますが、そういう受験生はそもそも溶解度についてよくわかっていないことが多いようです。

今回は、計算練習に入る前に知っておきたい「溶解度とは何か?」について説明します。

「とける」の違い

突然ですが、次の3つの「とける」の違いはわかりますか?

  1. 氷が「とける」
  2. 鉄が塩酸に「とける」
  3. 砂糖が水に「とける」

 

どれも同じ「とける」という言葉で、漢字でも「溶ける」と書くことが多いですが、意味が少しずつ違います。

 

融解

1の「氷がとける」は、融解(ゆうかい)という現象です。

融解とは、温度が上がることで固体が液体になる現象です。

反対に、液体が冷やされて固体になることは凝固(ぎょうこ)といいます。

 

化学反応で起こる変化

2の「鉄が塩酸にとける」は、化学反応によって起こる変化です。

鉄が塩酸と反応して塩化鉄という物質となり、水にとけていくのです。

鉄が“別の物質”に変化していることが大きな特徴ですね。

 

溶解

3の「砂糖が水にとける」は、今回のテーマでもある溶解のことです。

溶解とは、簡単にいうと「物質が小さくなって液体と混ざること」です。

 

溶解した物質は、目には見えなくなります。しかし小さな粒になっているだけで、なくなったり、違う物質になったりはしていません

ですから「液体を蒸発させる」といった操作をすることで、とける前の物質を取り出せます。

 

溶解に関係する言葉も押さえておきましょう。

溶質(ようしつ)…… 溶解している物質
溶媒(ようばい)…… 溶質をとかしている液体
溶液 …… 溶質と溶媒を合わせたもの
水溶液 …… 溶液のうち、溶媒が水であるもの

※中学受験の理科では溶媒が水の場合がほとんどなので、ここからは溶液が水の場合のみを考えていきます

溶解度とは

溶解度とは「水100gにとけることのできる限界の量」です。

簡単にいうと、溶解度が大きいほど水にとけやすい、ということです。

計算問題を解く際は「水100gに」という箇所も重要なので、しっかり押さえておきましょう。

 

物質が限界までとけることを「飽和(ほうわ)」といいます。

そして、飽和している水溶液のことを「飽和水溶液」といいます。

 

溶解度は温度によって変化する

溶解度は温度によって変化しますが、その変化の仕方は「とける物質の状態(固体・液体・気体)」によって変わります。

固体がとける場合

固体がとける場合は、温度が高いほど溶解度は高くなります

ただし水酸化カルシウムだけは、温度が高くなるほど溶解度は小さくなります。

計算問題で出てくるのは、ほとんどが固体がとける場合なので、基本的には「温度が高いほど溶解度は高くなる」と考えて構いません。

 

繰り返しにはなりますが、固体がとける場合は、基本的には温度が高いほど溶解度が大きくなります。

つまり、温かいほど、たくさんの固体がとけることができるのです。

また、水の量が多いほど、物質がとけることができる量も多くなります

 

ですから、溶解度の計算問題を解く際は、まずは「溶液の温度」と「水の量」が重要になってきます。

これらをもとに考えることで、その水にはどのくらいの物質がとけるのか? がわかります。

 

液体がとける場合

液体がとける場合は、基本的には際限なくとけることができます。

ですから、溶解度という考え方はあまりしません。

 

気体がとける場合

気体がとける場合は、温度が高いほど溶解度は小さくなります

固体とは逆になるので注意が必要です。

 

水溶液の濃さ

最後に、水溶液の濃さについて説明します。

これは算数でも扱う話ですが、水溶液の濃さとは「水溶液の量に対する溶質の量の割合」です。

これを式にすると、以下のようになります。

溶質の重さ÷水溶液の重さ×100

割る数は「水の重さ」ではなく「水溶液の重さ」という点に注意が必要です。

 

ここまで、溶解度について説明してきました。

まずは「溶解度とは何か」ということを正確に理解したうえで、計算問題の練習にとり掛かるようにしましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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