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【小5算数/平面図形】内部底辺の考え方を使った三角形の面積|中学受験のツボ[算数編]
こんにちは。
株式会社ORA-Trio杉本です。
今回のテーマは「底辺も高さもわからない三角形の面積の求め方」です。
底辺・高さがわからない三角形を、2つの三角形に分割し、面積を求める方法について解説します。
今回紹介するのは、塾などでは「内部底辺」と呼ばれることもある方法です。平面図形の応用問題に取り組むときには、身につけておきたい考え方です。
「内部底辺の問題が解ける」だけでなく、特定の図形を見たときに「内部底辺の考え方を使ったら解ける問題だ」と反応できるよう、トレーニングしておけると良いですね。
今回は、まずは内部底辺の考え方と、それを使った面積の求め方について解説します。
その後、さらに同じ考え方を応用した問題にもチャレンジしてみましょう。
内部底辺の考え方
まずは、基本的な内部底辺の考え方と、それを使った面積の求め方について理解しましょう。
以下の例題を見てください。
例題1
以下は、1マスが1cmの方眼です。
三角形ABCの面積は何㎠ですか。
三角形ABCは、小学校の範囲では底辺や高さを求めることはできません。そのため「底辺×高さ÷2」以外の方法を考える必要があります。
たとえば、大きな正方形の面積から、まわりの三角形の面積をひき算するという方法があります。
ただ、今回は「2つの三角形に分けて考える方法(内部底辺の考え方を使った方法)」を紹介したいと思います。
下の図のように、ABCを上下2つの三角形に分割するようにイメージしてみてください。
点Cから左に線を引き、辺ABと交わった点をDとします。そして、三角形ABCを三角形ADCと三角形BDCに分割します。
ここで、三角形ADCは、底辺がCDで高さが2cm、三角形BDCは、底辺がCDで高さが4cmの三角形です。
つまり、
三角形ADC=CD×高さ(2cm)÷2
三角形BDC=CD×高さ(4cm)÷2
と書くことができます。
よって、三角形ABCの面積は、以下のように求めることができます。
三角形ABC
=三角形ADC+三角形BDC
=CD×高さ(2cm)÷2+CD×高さ(4cm)÷2
=CD×(三角形ADCの高さ+三角形BDCの高さ)÷2
=4cm×6cm÷2
=12㎠
注意したいポイント
ここで注意してほしいポイントは、「三角形ADCの高さ+三角形BDCの高さ」をまとめているところです。
この考え方を使えば、三角形ADCと三角形BDCそれぞれの高さがわからなくても、合計がわかれば面積が求まります。
このように、底辺や高さがわからなくても、内部の直線で三角形を2つに分け、それぞれの高さの和を使うことで面積を求められます。
この三角形を分割する直線(上図のCD)を「内部底辺」と呼ぶことがあります。
正式な名称というわけではありませんが、三角形を分割する考え方をうまく表現した呼び名だと思います。解法と合わせて覚えておけると良いでしょう。
「内部底辺」の考え方を使った応用問題
次に、内部底辺の考え方を使った応用問題にチャレンジしてみましょう。
以下の例題を見てください。
例題2
下の図は、3つの長方形ABCD、EFCG、HICJを使って描いた図です。
三角形AGHの面積は何㎠ですか。
今回も、求める三角形を2つに分けて考えていきましょう。
三角形AGHは、辺EGによって、三角形HEGと三角形AEGに分けることができます。
三角形HEGと三角形AEGは、どちらも底辺はEGで11cm。
また、三角形HEGと三角形AEGの高さは合わせるとJDとなり、13-5=8cm とわかります。
よって、解説は以下のようになります。
三角形AGH
=三角形HEG+三角形AEG
=EG×JG÷2+EG×GD÷2
=EG×(JG+GD)÷2
=11×8÷2
=44㎠
内部底辺の考え方はイメージできたでしょうか。
まとめ
今回は、底辺や高さがわからない三角形の面積を求めるときに使える「内部底辺」の考え方について解説しました。
平面図形は、理屈を理解しているだけでなく、演習による「慣れ」が重要な単元です。
図を見たときに「このやり方が使えるかもしれない」と気づけるようになるために、しっかりトレーニングを積んでおけると良いですね。
それではまた!
※記事の内容は執筆時点のものです
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