連載 三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」

伝わる新しい軸|三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」(17)

専門家・プロ
2018年5月31日 大橋清貫

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前回は「学校が学習者の学びの姿勢をアクティブにするのか、従来型のパッシブのままなのかで、その過ごす年月での成果に大きな差が生じる。学校改革を成功させている学校の真の凄さはここにある」そんな内容でした。

学びの姿勢の違いに気づく

この大きな差は今、急激に注目されています。最近よく耳にするのは保護者の方々からです。2人・3人のお子さんを持つ保護者の方はお子さんたちの学びの姿勢の違いに気づくそうです。同じ家庭環境で育っているお子さんの違いが不思議だったそうですが、今は学校の教育ポジションの違いと理解されているようです。もちろんそれは優劣の問題ではなく、それぞれの学校が持つ教育上の特徴というご判断になっているそうです。似たような事例はこれからますます増えるのではないかと思っています。

学校を「見る目」の変化

今、学校は一様には語れなくなってきています。公立だから、私立だから、進学校だから、大学付属校だからといった形式的には確かにそうであっても中味は相当に異なってきています。

実はそのことは保護者の方はよくご存知な気がします。何かを感じ取られています。学校の見る目は従来とは相当に異なり、しかもその変化のスピードは凄まじく早い、そんな気がします。

以前、学校説明会の時に立ち話ですが、「この学校の英語の教科書は何ですか」とよく聞かれました。受験校なら当然ある教科書を使っているはずといった知識からのご質問でした。もう何年もこの質問はされていません。むしろ「ネイティブスピーカーの先生は何人ですか」といった内容をよく質問されます。「21人です」と応えると大いに納得されています。

変化を起こす新しい軸

学校はここ数年の間に大きな変化が始まっています。その変化は従来型の学校教育の延長線上にあるものではありません。むしろ新しい軸をつくったからこそ起こっているものです。

この新しい軸こそ学校改革の最大の柱です。そこをご覧になることで、どんな学校なのか。どこへ行こうとしている学校なのか。卒業時のイメージをどんなふうに描いているのか。多くのことが見えてきます。そのことを学校説明会などでつかんでいただければと思います。

以前、学校案内は表紙をめくればどこも同じだという話もよく聞きましたが、最近は違いが出始めている学校が少なからず登場してきています。それは学校改革の青写真かもしれません。次回はどこがどう違うのか少し具体的にお話しさせてもらえればと思います。

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※記事の内容は執筆時点のものです

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