連載 三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」

辿り着きたい学校|三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」(18)

専門家・プロ
2018年6月11日 大橋清貫

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前回は「今、学校で起こっている変化は従来型の学校教育の延長線上にあるものではなく、新しい軸をつくったからこそ起こっているものだ」というものでした。そして「この新しい軸こそ学校改革の最大の柱です」と書かせてもらいました。今回はもう少し掘り下げてみたいと思います。

どんどん増える新しい言葉

学校説明会など、さまざまな機会を通じて同じような言葉を耳にされると思います。グローバル教育、21世紀型教育、アクティブ・ラーニング、ICT等々、一時期多かった英語教育、理科教育を超える勢いです。

しかし、グローバル教育などここ数年登場している言葉はその内容が十分には理解されていないのではと思います。教育関係者でも意味や内容が統一されていない気がします。

それでも「アクティブ・ラーニングに力を入れています」という学校はどんどん増えています。「理科の実験を週一回はやります」という具体的なものとは全く違います。ではこれらのことはどのように理解したらよいのでしょうか。

大事なのは学校全体で取り組むこと

21世紀型教育と一口に言っても程度も内容もさまざまです。どの程度であってもやっていると言えなくありません。では話を聴いた側はそれをどのように判断するのがよいのか。

私が聞かせて頂いた先生方はどなたも真剣です。そして前向きです。知識も経験を十分にある方ばかりです。では何をどう見ればよいかというと「学校全体の動きや方向性の説明のなかで話されていればそれは相当に期待できます」と説明したことがあります。

21世紀型教育、アクティブ・ラーニング、どれも大きなかじ取りの中、学校全体で取り組むことではじめて実行可能になりますし、成果も出てきます。

ですから全体の話こそ大事だと考えています。全体の話は軸の話と言ってもよいと思います。どんな軸を持っているのか、つくり上げたのか、その話は伺っていて心躍る何かがあります。事実、そういった学校をいくつか知っています。

出会うべき学校に出会う

学校が進むべき明確な軸は何なのか、その中でどんな教育が必要だと考えているか、そこが最も伺いたいところです。そこに登場する新しい教育の言葉はどれも魅力的です。期待が持てます。そんな視点で学校説明会・オープンキャンパスを体験されると良いのではと思います。「出会うべき学校に出会えば人は成長する」そんな気がします。

次回はこの時代に欠かせない教育の内容を具体的にお話しさせてもらいます。ご一緒にお考え頂けたらと思います。

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※記事の内容は執筆時点のものです

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