【小4社会/地域とくらし】瀬戸内地方の特徴は? 気候を活かした「くらしの工夫」も|中学受験のツボ[社会編]
こんにちは、吉崎です。
今回は「地域とくらし」をテーマに、瀬戸内地方について紹介します。
私は2024年の4月に神戸に、昨年は夏前に広島にも行ってきました。
神戸は近畿地方のため瀬戸内地方には含まれませんが、「瀬戸内式の気候」という特徴があるので、今回の話にもちょっとだけ名前が登場します。
瀬戸内地方の気候
瀬戸内海に面した県を、まとめて「瀬戸内地方」といいます。
瀬戸内地方は温暖な気候として知られています。降水量が少ないことも大きな特徴ですね。
降水量が少ないのは、中国山地や四国山地などがあるため、季節風の影響を受けにくいからです。
合言葉は「山にぶつかったら雨が降る」ですね。
季節風の影響と降水量の関係は次の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。
【小4社会/日本の気候】日本海側・瀬戸内・中央高地の気候を確認しよう!|中学受験のツボ[社会編]
https://katekyo.mynavi.jp/juken/40486
瀬戸内地方のくらし
温暖で降水量が少ない瀬戸内地方では、こうした特色を活かしたくらしをしています。
小麦の生産
香川県は水不足によって米の生産が毎年安定しないことを心配し、小麦の生産に力を入れました。小麦は、お米ほど水が必要ないからですね。
その小麦を原料につくったのが、うどん。「讃岐うどん」は香川県の名物ですが、香川県では塩の生産もさかんです。
うどんの原料は香川県内で自給自足していた、ということを覚えておくと、うどんを食べたときの印象も変わってくるかもしれません。
ため池
水不足の対策として、香川県では「ため池」もたくさんつくられました。吉野川からは香川用水も引いており、最大限の水不足対策がおこなわれています。
現在、香川県内のため池の数は約12000ヶ所。2000年頃は約14000ヶ所だったので、埋め立てなどによって減少したことがわかります。
「ため池といえば香川県」という認識でOKなのですが、ため池数がナンバーワンの県は香川県ではありません。
なんと1位は兵庫県で、その数は約24000。香川県の2倍です。
兵庫県は香川県と同じく瀬戸内式の気候のため、水不足を防ぐためにため池が多くつくられているのです。
兵庫県の面積は全国12位で、日本一面積がせまい香川県の約4.5倍。これだけ面積の差があれば、ため池の数も多くなりますね。
瀬戸内地方では造船業がさかん
瀬戸内海は気候もおだやかで、海域の幅がせまく、水深も浅くて砂浜も多いため、うねりの影響を受けにくくなっています。そのため「波も少なくておだやか」という特徴があります。
この地形を利用して、造船業をおこなっている地域が多いですね。
波が少なくておだやかなため、造船ドックでクレーンなどを利用して組み立て、そこから進水し、試運転まで安全に進めやすいのです。
兵庫県神戸市、香川県坂出(さかいで)市、広島県呉(くれ)市は造船業が特にさかんなので、お子さんと確認してみてください。
ちなみに神戸港からは、神戸港付近を周遊するクルーズ船が出ており、川崎重工の造船所を間近で見られます。この付近は博物館や中華街、ショッピングモールなどもあり、1日中遊べるためおすすめです。
かつて軍港として栄えた呉市の港からもクルーズ船が出ており、こちらは間近で海上自衛隊の潜水艦や護衛艦などが見られ、ものすごい迫力です。
近くには潜水艦ミュージアムもあるため、旅行などで訪れてほしいスポットのひとつです。
まとめ
香川県といえばうどんですが、なぜうどんが有名なのかを調べると「水不足」が関係していることがわかります。
瀬戸内地方に造船業がさかんな市が多いのは、瀬戸内地方は天候がくずれにくく、波がおだやかな地形をしているからです。
このように見てみると、社会はいろいろな要素が“つながっている”ように感じませんか?
社会は暗記で覚えるのではありません。
先人たちの工夫や発見などをもとに、楽しく学ぶ教科なんですね。
ときには暗記の要素も必要かもしれませんが、まずは楽しんで勉強してほしいと思います。
今回はここまで。
世の中で出会う、すべてのことが社会科です。
親子で会話を楽しむ際に、ぜひ社会ネタも入れてみてください。
※記事の内容は執筆時点のものです
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