高等教育への道を見据えた選択|三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」(20)
前回のコラムは、「学校の中でAL型授業の導入から評価に至るまで担保されることが主体的で深い学びの実現につながる」そんな内容でした。これらの新しい学びと実際の進路の実現がどのような繋がりがあるか考えてみたいと思います。
各校の積極的なアクティブ・ラーニング(AL)への取組み
学習指導要領の方向性が「主体的・対話的で深い学びの視点から学習過程を改善」していくということなりましたが、それを受けて各校はどのような教育活動を展開していくかについて一所懸命に模索をしているところだと思います。
実現に向けて各校ともアクティブ・ラーニング(AL)への取り込みは進んできています。実施する中で質の高い内容での実現に各校とも苦慮しているところかもしれません。授業はもちろんですが、定期テストの授業との連携、さらにはALを意味あるものにする成績評価など課題はたくさんあります。ですが、教育現場はきっと乗り切っていくと確信しています。教育に情熱を持つ先生方の努力は素晴らしいものがあります。だからどの学校もやがて高い次元で実現していくことと思っています。
それでも立ちはだかる壁
それでもまだ立ちはだかる壁があるとすれば進路かもしれません。大学進学を前提とすれば、中等教育課程を修了し、次なる高等教育への道を見据えた時の選択です。
選択が決まれば当然のように今度は実現方法が課題となってきます。主として年が明けての試験日の一点勝負の世界がそこにあるからです。
特に私立大学入試における定員適正化が実施されてから合格者数の絞り込みもあって、受験生の悩みがさらに深くなっている気がします。この一点勝負の現実をどのように対処していくかということです。学校の悩みもここにあるのかもしれません。
変わる大学入試への対応に学校の真価が問われる
早くから果敢にALを取り入れて実施してきている学校は既に次のステップ・段階に辿り着いています。
大学入試で増えてきている思考力問題への適応、いよいよ始まる新型入試への対応、大学入試で比重を増す一方の英検等の民間英語検定対策、急速に人気を集めている海外大学入試準備。そして、高校時代の学習歴が本格的に問われるeポートフォリオの学内での徹底など万全の準備ができている中学・高校も出てきています。
学校は今や総合力で臨まなければならない時代に入りました。繰り返すことによる教育上の学校資産はまだまだ重要ですが、新しく始まっている大きな流れへの取り組みとその質的向上は今、学校の真価が問われている部分だと思います。
最良の進路選択のために
保護者の方・受験生の方が学校選択をされるときの基準はたくさんあると思います。私はそれぞれの方が自信を持って判断されたことで間違っていることは何もないと思います。
とにかく有名企業への就職状況が良好な大学、大学入試に強い中学や高校。その他、知名度、偏差値、部活動での実績、どれも納得できる選択理由です。
最近はこれらに加えてわが子の、あるいは受験生自身の成長期待度などが加わってきている気がします。とにかく情報を集めて分析しての進路選択こそ最良だと思います。
次回以降は具体的な各校の動向や情報などをご紹介できればと思っています。
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