連載 三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」

授業こそ学校改革の柱|三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」(15)

専門家・プロ
2018年5月01日 大橋清貫

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前回は「新しい流れの中で学校改革が始まっている。しかし、それは学校固有の事情により内容も程度も様々である」そんな内容でした。今回は保護者の方が学校を観察し、ご判断するにはどのような視点でご覧になると良いかに触れたいと思います。

各校の現在の立場を知ることは重要

まず学校の置かれている状況が同じということはないということをご理解ください。公立であっても私立であっても各校の事情は違います。特に私立は各校独自の建学の理念がありますから当然かもしれません。そればかりでなく大学併設校なのか、いわゆる進学校なのか、部活動に熱心な学校なのかなど特徴があります。

さらに付言すれば、生徒募集状況が良好なのか、そこにご苦労があるのかどうかでも立場は全く異なります。そのような中で今、次の時代に向けて各校とも改革に着手しています。それが時代の要請という理解では各校とも一致しているからです。

学校改革とは何か

広い意味での学校改革はさまざまな要素を含みますので、少し強引かもしれませんが、次のように限定させて頂きます。

今必要な学校改革とは、時代が大きく変化していくなかで、これからを生きる生徒・学生のために必要な教育は何かを明確に示し、それを教育プログラムにいれて実施していくこととさせてもらいます。

要はビジョンがあってやるべきことをはっきりさせて行動することです。学校は本当に忙しい職場です。先生方はやるべきことがあまりにも多い現実があります。

もちろん日々の業務が最優先ですから、授業や生徒・学生指導をして、与えられた校務分掌をし、さらに中高では部活動の指導も、保護者の方の対応もあります。この激務の中で学校が次の時代に向けて大きく舵を切れば、新しい授業、試験、募集活動などが新たに加わっていくのは改革期には避けられないことです。

それは先生方にとって未知の領域の仕事でもあり、様々な困難があります。学校改革はそれを乗り切っていくことでもあります。

そもそも学校改革は誰のため

学校改革の最大の受益者は生徒・学生の皆さんであることは申し上げるまでもありません。

私は通学満足度という言葉を好んで使っています。通学満足度の中心はもちろん授業です。授業が楽しいことが学校に行く大きなモチベーションです。授業での知的好奇心、探求心、満足、その結果としての成長実感、それらは全ての好循環の始まりです。やがてそれは生徒・学生募集へつながっていきます。

学校改革とは生徒・学生の高い満足感に繋がる授業をどのように実現していくかにかかっています。そのためには学校をあげて十分研究して体制を整えていかなければなりません。そして一歩一歩実践していかなければなりません。

そこには先生方の溢れ出る情熱が必要だと思っています。それほどに改革にはエネルギーが必要だからです。そのエネルギーはやはり学校説明会・オープンキャンパスなどさまざまな機会に直接学校を訪問することで、感じ取って頂けると思うのです。

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■三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」バックナンバー

※記事の内容は執筆時点のものです

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