学習 連載 中学受験のツボ[国語編]

【小4国語/学習のポイント】国語に取り組むときに「できたほうがいいこと」|中学受験のツボ[国語編]

専門家・プロ
2023年5月27日 住岡大輔

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説。 国語編 松尾吉久先生、住岡大輔先生、茂山起龍先生が担当します。
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算数理科社会

こんにちは、NPS成田予備校の住岡です。

以前の記事「国語の『土台固め』で意識したい3つのこと」では国語の勉強に取り組むときの注意点をお伝えしましたが、それに引き続き、今回は「できたほうがいいこと」をお伝えします。

注意すること」と共に、今回の「できたほうがいいこと」も確認しつつ、お子さんと一緒に国語に取り組んでもらえるとうれしいです。

それではいきましょう!

できたほうがいい3つのこと

国語の勉強で「できたほうがいいこと」は、次の3つです。

  • コミュニケーションを円滑に取れる
  • 常識や日常的な知識を知っている
  • 作業を面倒くさがらない

 

コミュニケーションを円滑に取れる

国語は“言語”の科目ということもあり、コミュニケーションが円滑に取れると、ほかの受験生と比べて優位に立つことができます。

塾や家庭教師の先生との問答だけでなく、ご家庭でのやりとりも国語力アップには欠かせません

 

コミュニケーションと一言で言っても「文字でのやりとり」「会話でのやりとり」などさまざま。

まずはどのやり方でも構いませんが、ひとつでも得意なやり方があると良いですね。4年生であれば「会話でのやりとり」が特に重要でしょう。

 

ちなみに国語では「文字を書けること」を重視する方もいるかと思いますが、「思っていることを文字にする労力」と「話したことを文字にする労力」では、後者のほうがラクだと私は考えています。

言えないことは書けないので、まずは「言える」ようにしたいですね。

具体と抽象を使い分けよう

お子さんのコミュニケーション力を上げるためには、具体と抽象を使って話すのがおすすめ

「どういうことを伝えたいの?」「つまり、まとめるとどういうこと?」といった質問をするのもひとつの手です。

このとき、お子さんの思考を先読みして「あぁ、そういうことね」と終えてしまうのはNG。最後までお子さんにしゃべらせることが大切です。

 

常識や日常的な知識を知っている

単語や場面が何を表しているかわからなければ、読解はできません。

そのため、これらをイメージするための手掛かりとなる常識、そして日常的な知識は特に大切です。

 

ではこうした知識を獲得するために、家庭では何をしたら良いでしょうか?

読書? それとも会話?

これらも大切ですが、お子さんにまずさせたいのが「体験」です。

常識や日常的な知識は、自ら見聞きすることで身につくからですね。

 

本や会話で手にした知識はイメージしづらいので、日常的な知識などは目に見えるかたちで教えてあげましょう。

たとえば季節の行事(節分、こいのぼり、菖蒲湯など)をマメにおこなったり、江戸や昭和の建物の構造を見るために博物館(関東なら「江戸東京博物館」など)へ行ったりするのもおすすめ。

4年生のときは机の前に座らせておくよりも、のびのびと体験をさせて教養を身につけておくと6年生になったときに差が生まれますよ。

作業を面倒くさがらない

国語は、“作業量”がものを言う科目です。

いかにメモを取れるか、どれだけ要約をやるかなど、授業でも家庭学習でも「書く作業」に取り組むことは大切ですが、そもそもその作業をイヤがっていては先へ進めません。

 

作業を「単純だなぁ」と思っていても、どうにかそれに耐え、黙々と取り組める子はこの先の成長を期待できます

一方で、そうした作業に耐えられずに手を抜いたり、中途半端で終わらせたりする子は文章読解の精度が落ちるので、間違いが多発します。「やっているのに伸びない」となってしまう原因にもなるでしょう。

こうしたことを防ぐためにも、まずは作業に耐えられる状態を目指したいですね。

たとえば、普段から家事のお手伝いなどをさせることで「作業をすること」への耐性をつけておくのも効果的です。

まとめ

国語に取り組むときにできたほうがいいことは、次の3つです。

  • コミュニケーションを円滑に取れる
  • 常識や日常的な知識を知っている
  • 作業を面倒くさがらない

 

意外かもしれませんが、4年生の国語では学習法ではなく「前提条件」をまずは押さえておくことが欠かせません。

私自身のこれまでの指導経験のなかでも、こうした「前提条件」をクリアしている子と、クリアしていない子では、5年・6年以降の伸び、そして吸収力に差が生まれることを幾度となく見てきました。

 

テキストの問題を解くだけが、国語の勉強ではありません。

視野をもっと広げてみる」ことを勉強の方針としてみても良いでしょう。

 

今回お伝えした内容を、日々の家庭学習に取り入れてみてくださいね。

※記事の内容は執筆時点のものです

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住岡大輔

住岡大輔

  • 専門家・プロ
  • この記事の著者

NPS成田予備校講師。個別指導Axisで指導スキルを磨き、中学受験から大学受験までの国語・社会を担当。中学受験では偏差値30台の生徒から偏差値60台の生徒まで幅広く経験。現在は、NPS成田予備校にて国語・社会を中心に指導。国語は「必要のない言葉は文章にない」「文法を使って読んでいこう」をキーワードに、文章を忠実に読む細かな読解法を実践。生徒を第一に思った指導方針でとことん生徒に付き合っていく熱意も持ち合わせている。それぞれの生徒に合わせた指導法で成績アップ、志望校合格へ導いてきた。