
【小6理科/天体】地球の形と大きさを確かめる方法|中学受験のツボ[理科編]
私たちは、「地球は球形」で、「地球は一周で約40000km(赤道部分)」と知っています。
でも、地球についてのこうした情報は本当なのでしょうか?
今回は、地球の形と大きさを確かめる方法について考えてみましょう。
地球が「球形」だと確かめるには?
問題
地球が「球形」だと確かめる方法は?
地球から飛び出して、宇宙から地球を見てみる。
こうすれば、地球が球形であることは簡単に確かめられます。
しかし地球にいても、地球の形を確かめられる方法がいくつもあります。今回はそれらのうち、特別な道具を使わなくても実践できるふたつの方法を紹介します。
ひとつ目は、水平線近くにある船を見る方法です。
もし地球が平らだったら、水平線の近くに船が見えるときは船全体が見えるはず。しかし実際には、船の上の部分(帆船であれば帆)の部分から見え始めます。
これは地球が水平ではなく、球形であることの証拠になります。
ちなみに「水平線自体が丸みを帯びている」と言われることもあります。
たしかに、高いところから見下ろすなど、特定の条件下では丸みを帯びて見えることがあります。しかし普通の環境では、肉眼で見えるものは「目の錯覚」であることが多いようです。
ふたつ目は、月食によってできる影を見る方法です。
月食は、太陽の光が地球によってさえぎられて起こる現象です。そのため地球の影が月に映りますが、それが丸みを帯びているのです。
ここからも、地球は球形であるということが確かめられます。
解答例
水平線近くの船を見る・月食の影を見る、など
地球の大きさを測るには?
問題
地球の大きさを測る方法には何がある?
「地球が球形をしている」ということを前提に、地球の大きさを求める方法を考えてみます。
球形ということは、地球上の場所により、地面の向きが異なるということです。
このことを利用し、2地点での地面の「角度の差」と「距離の差」を比べ、その結果を用いることで地球の大きさを計算できます。
解答例
2地点間での距離と角度から計算する、など
2000年前にはすでに計算されていた
いまから約2000年前、ギリシャの科学者・エラトステネスは、次のような方法で地球の大きさを計算しました。
その当時、シエネとアレクサンドリアという2つの地点は「約925km」離れていると測定されていました。
そして、この2地点で、同じ時刻に太陽の角度(太陽によってできる影の角度)を調べたところ、角度の差が「7.2度」ということがわかりました。この角度の差は、地面の角度の差によるものです。
地球が球形だとすると、1周の角度は360度なので「925km÷7.2度」で1度分の距離を求められます。
それを360倍すれば、1周の距離を求めることができます。
この計算結果から、地球の1周は約46000kmであるとされていました。
しかし、実際の距離は約40000km。エラトステネスの計算結果は、実際の距離を1割ほど上回っていることになります。
この原因としては、そもそも2地点間の距離の測定が誤っていたのではないか? と言われています。ですから、エラトステネスの計算方法自体は完全に正しかったと考えられているのです。
2000年前の技術では、もちろん宇宙から地球を見ることはできません。
それでも、地球の大きさを計算することができたのですね。
保護者向け
地球を球として考えると、断面は円になり、その長さは「直径×3.14(円周率)」で求められます。
これが40000kmなので、直径は約12000kmということになります。
ただし実際には、地球は球形ではなく、自転の影響によって、赤道方向に広がった“楕円(体)”という形をしていることが知られています。
中学入試の問題で出てくる可能性があるので、知識として押さえておいても良いでしょう。
まとめ
地球の形や大きさは教科書やテキストに書かれているため、私たちはそれらを当たり前のように知っています。
しかし、それらにも求める方法や考え方があるんですね。
ぜひ、ふだんの勉強から「こう書いてあるけど、どうやって確かめられたのかな?」「いま、自分で確かめる方法はないだろうか?」と考えてみることをおすすめします。
調べる習慣があると、より深く理解できるようになり、理科がより身近なものになります。ぜひ、親子で一緒になってチャレンジしてみてください。
※記事の内容は執筆時点のものです
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