【小6理科/生物】動物分野の総まとめ[3]動物と環境|中学受験のツボ[理科編]
こんにちは!
理科講師兼受験アドバイザーの山崎です。
動物分野の総まとめ3回目の今回は、「動物と環境」について見ていきましょう。
具体的には、動物たちがどのように生き抜いてきたか、そして私たち人間とどのようにつながっているかをお話しします。
自然界の仕組みを知ると、環境を大切にする気持ちも育(はぐく)まれます。 “自然界の不思議”もさらに身近に感じられるので、ぜひ最後までお読みください。
Contents
生殖
生物は自分たちと同じ種類の個体を新たにつくることで、次の世代へと命をつなげています。
これを「生殖」といいます。
生殖には、ふたつの方法があります。
無性生殖
無性生殖は、ひとつの親から子供が生まれる方法です。
無性生殖では、親とまったく同じ遺伝子を持つ子供が生まれます(クローン)。
たとえば、アメーバやヒドラ、ジャガイモやサツマイモの種いも、オニユリのむかごなどが無性生殖によって増えます。
有性生殖
有性生殖は、ふたつの親から子供が生まれる方法です。
ほとんどの動物や植物が、有性生殖で子供をつくります。
有性生殖では親から受け継ぐ遺伝子が混ざり合うので、子供は親の特徴を持ちながらも新しい組み合わせになります。こうして、いろいろな性質の個体が生まれるのですね。
なお、環境の変化に適応できるものもいますが、ふたつの個体が出会わないといけないので生殖効率は悪くなります。
■遺伝
遺伝とは、親の特徴が子供に伝わることです。遺伝子(DNA)は親から子へと受け継がれ、髪の色や目の色などを決定します。たとえば、お父さんに似たクルクルの髪の毛や、お母さんに似た美しい目などがその例です。
ホニュウ類の姿と気温
動物の体の大きさや形は、住んでいる環境の気温に大きく影響されます。
このことを説明する法則がふたつあります。
ベルクマンの法則
寒い地域に住むホニュウ類は、暖かい地域に住むホニュウ類よりも体が大きい傾向があります。
体が大きいと体表面積が相対的に小さくなり、体温を保ちやすくなるからです。
たとえば北極に住むホッキョクグマが大きいのも、この法則のおかげです。
アレンの法則
寒い地域に住むホニュウ類は、耳や尾などの末端部分が短い傾向があります。これも体温を保ちやすくするためです。
たとえば寒い地域のウサギは耳が短く、暖かい地域のウサギは耳が長いことが知られています。
■適応
動物たちは生き抜くために、環境に合わせて変わっていきます。これを「適応」といいます。たとえば寒い地域に住む動物は厚い毛皮を持つことが多く、砂漠に住む動物は水を保存する特別な方法を持っています。
個体数
動物の個体数を推定する方法には、マークアンドリキャプチャー法などがあります。
これは、一部の個体に印を付けて再び捕まえることで、全体の個体数を推定する方法です。野原にいるバッタの数を知りたいときなどに使われます。
産卵数
動物が一度に産む卵の数は、種によって異なります。
多くの卵を産む動物は子供の生存率が低い場合が多いです。
たとえばカエルは一度に数百個の卵を産みますが、その多くが成長する前にほかの動物に食べられてしまいます。
生物のつながり
動物はさまざまな環境のなかで、ほかの生物とのつながりを持って生きています。
これらのつながりを理解することは、自然のバランスを保つために大切です。
食物連鎖
食物連鎖とは、植物が生産したエネルギーを草食動物が取り込み、草食動物を肉食動物が食べる ―― というエネルギーの流れのことです。
たとえば、草を食べるウサギ、そのウサギを食べるキツネが食物連鎖の一部です。
分解者
分解者は、死んだ動植物の体を分解し、栄養素を土に戻す役割を果たします。
キノコやバクテリアなどが分解者です。彼らのおかげで“自然界のリサイクル”が進みます。
炭素の循環
炭素は、生物の体をつくる重要な元素です。
炭素の循環は、大気、植物、動物、土壌などを通じておこなわれます。
たとえば、植物が二酸化炭素を吸収して成長し、その植物を動物が食べることで循環します。
窒素の循環
窒素は、タンパク質をつくるために必要な元素です。
窒素の循環では、大気中の窒素を土壌の中に取り込み、植物や動物が利用できる形にする、というプロセスを踏みます。
たとえば豆科の植物は、根に共生するバクテリアによって窒素を固定します。
生物濃縮
生物濃縮とは、環境中の有害物質が食物連鎖を通じて高濃度に蓄積される現象です。
たとえば農薬や重金属が小さな生物に取り込まれると、それを食べる動物にさらに濃縮されていきます。
共生・寄生
共生は、異なる種の生物が互いに利益を得て生活する関係です。
たとえば「花と蜂(はち)」の関係が当てはまります。蜂は花の蜜を食べ、花は蜂によって受粉されます。
寄生は、片方の生物が他方に依存し、ときには害を与える関係です。たとえばノミやダニが動物の血を吸うことが挙げられます。
まとめ
動物分野の総まとめ3回目として、「動物と環境」について具体的に紹介しました。
1回目と2回目でも重要なポイントをお伝えしていますので、今回の内容と合わせて参考にしてみてください。
動物分野の総まとめ[1]セキツイ動物
動物分野の総まとめ[2]無セキツイ動物
※記事の内容は執筆時点のものです
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