
【小6算数/過去問】過去問の効果的な活用法|中学受験のツボ[算数編]
髭之教育会代表の有賀です。
過去問演習は、志望校に合格するための必須の学習です。残り少ない時間で最大限に得点力を上げるため、効果的な過去問演習をやっていきたいですね。
ぼくが書いた過去の記事でも過去問演習について触れましたが、今回は「より細かい過去問演習のコツ」を説明します。
理想は、実物の過去の入試問題を手に入れること
最初に、最も理想的な方法をお伝えします。
それは「実物の過去の入試問題を手に入れて演習をやること」です。
入手方法は、
- 受験校から直接入手(学校窓口、ホームページ)
- 実物がダウンロードできるサイトから入手
- 通塾している塾の先生に相談
の3つがあります。
第1志望の学校なら、まずは塾に実物の入試問題がないか聞いてみてください。学校によっては、保管されていることもあります。
実際の解答用紙は赤本とは形式が違う
過去の問題を集めた問題集を一般的に「赤本」と呼びます。実際は過去問演習をする際、この赤本の解答用紙をコピーして実施することが多いでしょう。
「実物の解答用紙を縮小したもの」なら、何も問題ありません。拡大の比率も書かれていることが多いので、拡大して使いましょう。
なぜ、実物と同じサイズに拡大するのか?
それは、「考え方を書くスペースによって、書く量が変わる」からです。
慶應中等部のように、答えを書くだけならば、原寸にする必要はないかもしれません。しかし、同じ慶應系列でも、慶應普通部はコンパクトに考え方を記す必要があります。
子供によっては、小さな文字を書くことが苦手な子もいます。すると、本当は書くべき内容を省略するようになります。それを避けるために、原寸大に拡大して演習する必要があります。
では、赤本の解答用紙が実物とは異なるときには、どうすれば良いでしょうか?
理想は「実物の解答用紙を調べて、つくってしまう」ことです。
その際に注意するのは、美しさよりも「サイズ」にこだわることです。もし、つくるのが難しいようなら、白い紙を線で区切るだけでも効果はあります。
赤本の解答用紙が実物と大きく異なる場合には、実践してみてください。
目的は「与えられたスペースに、どれだけの量で考え方を表記するか」にあることを忘れないようにしましょう。
赤本に直接書き込んで解くのは避けよう
次に問題用紙についてのポイントです。
過去問演習をするときに、直接赤本に書き込んで解くのは避けたほうが良いですね。
理由は、以下のふたつです。
- 過去問が1回しか使えないから
- 本来の問題用紙と劇的に異なるから
1は当然のことなのですが、子供は意外と直接書き込んでしまいがちです。
こうすると、やり直しをするときにも使いにくくなります。
そして、2の「問題用紙の形式が異なる」はとても大切なポイントです。
赤本は「実際の入試問題をコンパクトに編集してまとめたもの」です。ですから、実物よりも、解くスペースが著しく小さくなります。
すると、算数の問題を解くうえで大きな問題が生じてしまいます。それは「子供が書くべき式、図、表を省略してしまう」という問題です。
ふだんはノートやプリントで必要な情報を書き表し、整理する練習をしているでしょう。ところが、解くスペースが小さくなると、子供は頭だけで情報を整理し出します。
いつもは解ける問題が解けなくなる理由のひとつがこれです。
では実際の入試問題は、小さなスペースで解かなければならないのでしょうか?
そんなことはありません。
入試問題には、式や図を書くスペースが十分にあります。ですから、意味のない作業の省略や小さい字を書くような訓練は必要ないですね。
問題用紙に関しても「切り貼りで実物に近いものを作成する」形で対応することをおすすめします。
作成するのが難しければ、ほかの紙を使って解いても良いでしょう。その際、罫線がない白紙を使うと、より効果的です。問題用紙に罫線は引かれていないので、白い紙に解くことで、実際の入試と同じ状況をつくれます。
密度の濃い実戦練習の素材として、過去問を活用していきましょう!
※記事の内容は執筆時点のものです
とじる
お気に入り機能は
会員の方のみご利用できます
会員登録のうえログインすると
お気に入り保存できるようになります。
お気に入りのコンテンツは、
マイページから確認できます