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[復習のしかた]白紙再現で「覚えたつもり」を防ぐ ―― 学力を伸ばす勉強のしかた

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テスト中に「あれ、なんだっけ、出てこない……。ノートは見返したんだけど……」と思うことってありますよね。ノートを見て復習したのに、頭に入っていない。そういう時は、ノートを眺めただけで、覚えている「つもり」になっていることが多いのです。これを防ぐ勉強法に「白紙再現」というものがあります。

記憶を強化する方法

ただ一括りに「覚える」といっても、覚え方次第で記憶の定着は大きく異なります。復習は「量」と「質」の両輪が大切です。

忘れることを前提に、復習する

「せっかく覚えたことも、翌日には70%を忘れてしまっている」という、衝撃的な実験結果があります。覚え方や得手不得手によって忘れてしまう割合は変わりますが、人は忘れてしまう生き物だと思っておくのがよさそうです。

復習の量を増やすには、タイミングが命です。「その日、次の日、日曜日」を合言葉に、週に3回も復習すれば十分記憶を定着させることができます。

ストーリー記憶で、記憶を強化する

復習の回数を増やすことも大切ですが、質の向上も忘れてはいけません。復習の質を向上させるには、「ストーリー記憶」で覚えていくのが有効です。

丸暗記を「点の記憶」とするのであれば、ストーリー記憶は「線の記憶」です。

「1603年」をひたすら何回も書いて覚えるのが「点の記憶」です。

「1603年に徳川家康が江戸幕府をひらいた」と覚えると、「1603年」「徳川家康」「江戸幕府」のキーワードが繋がって「線の記憶」になります。

後者の方が記憶に残りやすそうですよね。このように複数の知識を繋げてストーリーで覚える方法を「ストーリー記憶」といいます。記憶力アップに欠かせない方法です。ぜひ覚えておいてください。

記憶を定着させる「白紙再現」

この「ストーリー記憶」を取り入れて、効果的に復習する勉強法が「白紙再現」です。具体的にみていきたいと思います。

授業のノートが大前提

記憶を強化するためには復習が大切ですが、そもそも授業をおろそかにしていては、復習もままなりません。白紙再現も、そもそもノートがないとできない勉強法です。授業中にしっかりと必要事項をノートに取る習慣をつけていきましょう。

自宅の復習に白紙再現を取り入れる

白紙再現の方法は以下の3ステップです。

[1]ノートをじーっと眺める
[2]そもそも分からない言葉などは辞書や教科書で調べる
[3]ノートを閉じて、白紙に覚えた内容を再現する

もし[3]で書くことができなかったら、覚えていないという証拠になります。「覚えたつもり」になっているのを防ぐことができます。ノートを眺めた直後に覚えていなかったら、テストまで、覚えていられるわけがないですよね。

白紙再現では最低でも3行以上を覚えるようにしましょう。前述したように、ストーリーで記憶にするには、ある程度まとまった量で覚えるのが効果的だからです。

慣れてきたら、[1]で覚える量を徐々に増やしていくとよいでしょう。

最初はノート3行くらいから始めましょう。慣れれば1ページ、2ページと再現できるようになります。ゲーム感覚でどんどん量を増やしていくと、記憶力も強くなっていきそうですね。

白紙再現で「覚えたつもり」を防ぐ

いかがでしょうか。意外と陥りがちな「覚えたつもり」を防ぐためにも、ぜひ復習に白紙再現を取り入れてみてください。


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※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

代表の清水章弘が設立。「勉強のやり方を教える塾 プラスティー」を東京・飯田橋と京都・烏丸御池で運営している。勉強内容だけではなく、勉強のやり方を体系的にまとめた「学習コーチ指導」を展開。小学生から高校生・浪人生まで、学校についていけない生徒から最難関校を受験する生徒まで、生徒1人ひとりの力を伸ばす指導は父兄からも大きな信頼を集めている。

代表は青森県三戸町教育委員会学習アドバイザーを務める。代表著書に『中学生からの勉強のやり方』(ディスカバー・トゥエンティワン)、『東大生が知っている!努力を結果に結びつける17のルール』(幻冬舎)、『現役東大生がこっそりやっている、頭がよくなる勉強法』(PHP研究所)など多数。著書は海外でも翻訳されている。

プラスティー教育研究所:http://plus-t.jp/