連載 学力を伸ばす勉強のしかた

[復習のしかた]友達に教えると、自分の成績が上がる!? ―― 学力を伸ばす勉強のしかた

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「勉強は教えてもらうと成績が上がる」そう思っている人は多いと思います。もちろんこれは間違っていないです。でも実は「勉強を教えてあげると成績が上がる」ということもできます。

教えることのメリットとは

授業のあと、得意な人が苦手な人に教えてあげている ―― という光景をよく目にします。教えるのはもちろん親切心からですが、教える人にも大きなメリットがあるのです。
相談ごとは、意外と自分で解決できる!?

いきなりですが、次の会話を見てください。

AさんはBくんとケンカをしてしまいました。AさんはBさんと仲直りしたいと思い、Pさんに相談します。

Aさん「昨日、Bくんとケンカしちゃって……」

Pさん「どうしてケンカになっちゃったの?」

Aさん「話し合いで、Bくんの考えは間違ってるって言ったら、Bくんが怒っちゃって……」

Pさん「AさんはBくんの間違いを指摘したんだ。そのあとは、どうしたの?」

Aさん「間違いを指摘したら、Bくんがすごい言い返してくるから、『うるさい、バカじゃないの!』って言っちゃって……。あ、さすがにちょっと言い過ぎたのかも。バカ呼ばわりされたら、Bくんもいい気がしないよね。悪かったな……」

説明すると、自分の「わからない」に気づく

誰かに説明するには、状況を整理していく必要があります。自分では「わかったつもり」になっていても、実はわかっていないことは意外と多いものです。

先の会話の例だと、実はPさんはAさんに対して何もアドバイスをしていません。Aさんは自分で説明しているうちに、自分で自分の悪かったところに気づいています。

これは勉強でも同じことがいえます。説明するときに改めて言葉にすることで、自分の「わからない」に気づけるのです。

「教える人」を見つけよう!

「人に教えることは、結果的に自分のためになる」ということがわかったと思います。では、人に教えるチャンスを増やすにはどうしたらよいのでしょう。具体的な方法を考えていきます。

友達に教える

ひとつめは「友達に教える」ことです。勉強が苦手な友達がいたら、教えてあげます。授業が終わったあと、自分から「ねぇねぇ、ここ教えてあげるよ」と話しかけるのです。その友達は「わかった!」と喜んでくれますし、自分も「頭の整理ができた!」と嬉しくなります。一石二鳥ですね。

親に教える

ふたつめは「親に教える」ことです。授業が終わって家に帰ったら、今日習った内容を親に報告します。「○○先生が面白かった~」といった他愛ない会話もよいですが、より具体的に授業の内容について話すのがおすすめです。

「○○の公式って、こういう仕組みになっているんだよ!」
「徳川家の将軍を全部覚えたから、順番に言ってみるね!」

このように、自分が先生になって親に授業するイメージです。親は実際に授業を受けていないのですから、話をわかってもらうには、より丁寧な説明が必要になりますね。こうすることで、より深く授業を復習することができます。

自分に教える

最後は「自分に教える」ことです。「自分に教える」とはそのまま自分で復習することですね。友達に教えるのも、親に教えるのもよい復習ですが、自分ひとりで復習することができれば、それが一番効率的です。

自分に教えるときに、おすすめなのが「お風呂での復習」です。お風呂のなかだと、頭がスッキリしているということは多いと思います。この時間を逃す手はありません。

でも、教科書やテキストを持ち込むわけにはいきませんよね……。蒸気でふにゃふにゃになってしまします。では、手ぶらでどうするか。

その日の授業を振り返りながら、「今日はどんなことを習ったかな……」と、ひとつずつ思い返していくのです。どうしても思い出せなかったものは、お風呂上りのあと、すぐに教科書やテキストを見返しましょう。

短いようで意外と長いのがお風呂タイムです。この小さな取り組みを積み重ねると、大きな力になります。

人に教えて、記憶をどんどん強くしよう

「教える」とは、まさに「復習する」ことです。復習は回数の積み重ねがもっとも大切です。いろんな人に積極的に教えることで、自然と復習が進み、記憶が定着していきます。

友達から「ねぇねぇ教えてよ~」と頼られるようになったらしめたもの! そうなるように、まずは積極的に自分から話しかけていきましょう。


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※記事の内容は執筆時点のものです

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