
[授業の受け方]授業前の1分、授業後の1分 ―― 学力を伸ばす勉強のしかた
学校や塾で毎日受ける授業ですが、その受け方ひとつで成績は大きく変わります。今回は授業の前後1分間で、今日から実践できる工夫をご紹介します。
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記憶のメカニズムを知る
授業で習ったことは覚えないといけませんよね。でも一生懸命覚えても、1週間も経つと忘れてしまっている……という子は少なくないはずです。どうせ覚えるなら記憶のメカニズムを知って、効率よく覚えるようにしましょう。
「忘れてしまう」のが当たり前
今まで勉強したことをすべて覚えている、という人はいないと思います。人の脳は忘れるようにできているからです。保護者や生徒から「どうも記憶力がなくて……」という相談をよく受けますが、忘れてしまうのは当たり前です。「賢い人は特別な記憶力をもっている」というのは多くの場合、幻想です。「人は忘れてしまうもの」、その前提で効率的な学習法を身につけていきましょう。
くり返しで記憶を強化する
人は忘れるもの、といっても忘れないものもあります。たとえば自分の名前。ある日突然自分の名前を忘れてしまう……ということは特別な事情がないかぎり、ほぼありえないことですよね。なぜかというと毎日名前を呼ばれて、そのたびに「復習」しているからです。くり返し思い出すことで忘れにくくなるのです。
授業前の1分を大切にする
大事なことを忘れないようにするには、くり返し復習することです。では、普段の授業でどのようにいかしていけばいいのでしょう。授業前の1分でできる工夫を紹介します。
前回の授業内容を思い出せますか?
ここで質問です。
「前回の授業内容を思い出せますか?」
こう尋ねると、思い出せないという子は意外と多いでしょう。授業前は、1分間という短い時間でよいので、前回の授業内容を復習するのがおすすめです。ノートを見直して「そういえば前回はこんなことを習ったんだな」と思い出します。そうすることで前回の復習になるだけでなく、次の授業も頭に入りやすくなるのです。
余裕があれば予習してみる
もし、前回の授業内容を完璧に覚えていて余裕があるなら、授業の予習に挑戦しましょう。「予習ってあまりやったことがないからむずかしそう……」という声が聞こえてきそうですね。でも心配ありません。予習でやるべきことは、次の授業で進むだろう範囲の教科書やテキストを読むこと、まずはこれだけでよいのです。こういった習慣をつけることで、むずかしく山場になりそうな範囲が事前にわかり、ポイントを絞って授業に臨むことができるようになります。
授業後の1分を大切にする
授業が終わったら休み時間! 待っていましたとばかりに教室を飛び出す子も多いと思います。でもちょっと待ってください。実は授業が終わったあとの1分間を、ちょっと工夫するだけで、記憶に雲泥の差がでるのです。
1分間で授業内容を振り返る
授業後の1分間は、いま習ったばかりのことを復習しましょう。何をするのかといえば、その授業で習ったことを思い出すことです。
・ノートを見返しながら、「ふむふむ、こんなことを習ったな」
・実際に問題を解いてみながら、「そうそう、こうやって解くんだな」
・ちょっと難しかったところは、「ねぇねぇ、ここ教えて」
むずかしく考えず、この程度でOKです。
「復習サンドイッチ」を習慣に
このように「授業前の1分間復習」「授業」「授業後の1分間復習」とする勉強法はとても有効です。「復習→授業→復習」と授業を復習でサンドイッチする(はさむ)ので、私達は「復習サンドイッチ」と名付けました。慣れないうちから、すべての授業で復習サンドイッチをすると疲れてしまうことがあるので、まずは子供たちが自分で「得意になりたい!」と思う教科から始めてみるとよいでしょう。
たかが1分、されど1分。1分を大切にしよう
いかがだったでしょうか。「これならできそう!」と思えたらしめたもの。さっそく明日から実践してみてください。継続は力なり、コツコツ1分間の積み重ねを大切にしていきましょう。
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※記事の内容は執筆時点のものです
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