学習 連載 ママのための受験算数の教え方プチ講座

割合の教え方(3)百分率、歩合のステップアップ|ママのための受験算数の教え方プチ講座

2018年4月25日 小林美代子

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割合の教え方(1)(2)での「定義通りの立式による解法」を十分に理解できたなら、次は「簡素な式」を使うとより解答しやすくなります。今回はこの簡素な式に慣れながら、ややレベルの高い問題にチャレンジしてみましょう。

簡素な式を身に付ける

■練習問題
(1)みかん250個の72%は何個でしょうか。
(2)お父さんの体重はみのるさん体重の1.75倍で、お父さんの体重は63kgです。みのるさんの体重は何kgでしょうか。
(3)ある品物を2割引きで買うと720円です。この品物の定価はいくらでしょうか。

解説

(1) [簡素な式を使った解法]

72%=\(\frac{72}{100}\)=0.72より

250×\(\frac{72}{100}\)=180 …①

または250×0.72=180
よって、180個

これらの式は定義通りの解法の途中式です。実際に(1)を定義通りの解法で解くと次のようになります。

(1)[定義通りの解法]

求めるみかんの個数を☐個とすると
もとにする量…250個
比べられる量…☐個

赤線部分に①の式が出てくる。

(2)[簡素な式を使った解法]

みのるさんの体重を☐kgとすると、
☐×1.75=63 …②
より
☐=63÷1.75=36
よって、みのるさんは36kg

(2)を定義通りの解法で解くと次のようになります。

(2)[定義通りの解法]

みのるさんの体重を☐kgとすると
もとにする量…みのるさんの体重☐kg
比べられる量…お父さんの体重63kg

赤線部分に②の式が出てくる。

(3)[簡素な式を使った解法]

品物の定価を☐円とする
2割引きとは、10割-2割=8割のことである。また8割=\(\frac{8}{10}\)=0.8である。

☐×\(\frac{8}{10}\)=720 …③

この等式の変形の基本である両辺への変形を行い

または、
☐×0.8=720より
☐=720÷0.8=900
よって定価は900円

(3)を定義通りの解法で解くと次のようになります。

(3)[定義通りの解法]

もとにする量…定価 ☐円、 比べられる量…720円より

赤線部分に③の式が出てくる。

お子さんが、割合の問題に十分に慣れ、理解できているなら①②③式のような簡素な式も使うとよいでしょう。ただし、立式に悩んでる場合は、「定義通りの解法」に戻って理解し直してください。


ややレベルの高い問題にチャレンジ

基本や標準問題に慣れてきたら、ステップアップしてみましょう。次の問題をお子さんにチャレンジさせてみてください。

■問題(やや難)
ある映画館の当日の入場者に対する女性の割合は、昨日は54%、今日は60%でした。今日は昨日より、入場者全体が15%減り、女性の入場者は18人減りました。昨日の入場者は何人だったでしょう。

解説

求めたい昨日の入場者の人数をA人とします。
昨日の女性の入場者は、昨日の入場者全体の54%より、

A×\(\frac{54}{100}\) (人)

今日の入場者数は昨日の入場者の15%少ないことより、100-15=85%であるから、

A×\(\frac{85}{100}\) (人)

さらに今日の女性の入場者数は、今日の入場者全体の60%より

(A×\(\frac{85}{100}\))×\(\frac{60}{100}\) (人)

今日は昨日の女性の入場者は18少ないことより、

A×\(\frac{54}{100}\)-(A×\(\frac{85}{100}\))×\(\frac{60}{100}\)=18

と立式できます。あとはこれを解けばよいです。
この式を処理していくときにも、等式の変形(両辺に〇〇する)を繰り返していきます。

よって、昨日の入場者は600人である

 

まとめ ――「定義通りの解法」を理解したら、「簡素な式」を使う

割合の「定義通りの立式による解法」が十分にできるようになったなら、次は「簡素な式」を使う練習をすると良いでしょう。この簡素な式は、解答をシンプルすることができ、とても便利です。この「簡素な式」は「定義通りの解法」の途中の式にあたるので別の考えのものではありません。やさしい問題で「定義通りの解法」を十分に理解したあと、「簡素な式」で表す訓練をし、徐々に問題のレベルアップをしてみてください。しかし、お子さんが問題の理解に困ってきたら、再び定義に戻り解き直してみると解消できると思います。


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※記事の内容は執筆時点のものです

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