連載 発達障害&グレーゾーンの中学受験

#2「子供が発達障害かも」と思ったとき、教育相談や専門病院に行きましたか? ―― 親子で乗り越えた、発達障害&グレーゾーンの中学受験

2019年6月14日 市川 いずみ

発達障害&グレーゾーンの息子と中学受験に挑戦し、志望校合格を果たした市川家の中学受験録。どのように中学受験を乗り越えたのか、親子奮闘の軌跡をQ&A形式で聞きます。

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Question #1

「子供が発達障害かも」と思ったとき、教育相談や専門病院に行きましたか?

Answer #1

息子が幼稚園のころに発達障害を疑いましたが、認めることができずに誰にも相談しませんでした。しかし、小学校入学後にトラブルが多発し、どうしようもなくなったので専門病院に行きました

息子が幼稚園のころに覚えた違和感

息子は、幼少期のころから好奇心旺盛で明るく、好きなことに夢中になる元気な男の子でした。ただ、わたしは“とにかく育てにくい”と感じていました。周囲の子よりも手がかかり、ただのやんちゃとは違うような違和感があったんです。

息子が幼稚園に入園し、集団生活になってくると、「あれっ?」と思うことが多くなりました。お友達とのトラブルが増え、わたしはヒヤヒヤの毎日を過ごすことになります。たとえば、「貸して」といわずにお友達のおもちゃを取ってしまう、順番を守らない、外遊びに行く時間なのにおもちゃを片付けずに遊び続ける……など。幼稚園へお迎えに行くたびに、お母さんたちに謝る日々を送りました。「わたしの子育てが悪いのかな……」と悩み続けた時期でもあります。

発達障害を疑いながらも認めることができなかった

そのころ、「発達障害」「ADHD」「アスペルガー症候群」という言葉を知りました。息子に当てはまる項目が多く、「もしかして……」と頭の片隅で思いつつも、認める勇気はありませんでした。発達障害の特性はどの子にも当てはまるのではないか、本当に息子の特性なのかと、自問自答することもありました。

そして、子育てに苦しむことは覚悟で息子の成長を見守ることを決めます。「いつか成長とともに息子は変わるかもしれない」と現実から目をそむけてしまったんですね。このときに現実から逃げず、療育相談などに行っていたら何か変わっていたかもしれない、と今になっては思います。しかし、当時は「認める」ということが、どうしてもできませんでした。

小学校に入ると、手に負えないトラブルが増えることに

小学校に入ると、友人関係のトラブルが目に見えて増えるようになりました。やられたらやり返す、やられていなくてもちょっかいを出す、板書をしない、やることに時間がかかる、時間を気にしない……などなど、息子の様子を見守るどころの騒ぎではなくなってきました。

そして小学校2年生のある日、担任から教育相談をするようにすすめられます。「やっぱり息子はまわりに迷惑をかけていたんだ……」ということを現実問題として突きつけられ、ショックだったことを覚えています。

専門病院や支援センターの予約困難に直面

「きちんと息子の状態に向き合わないと」と思い、まずは専門病院へ行くことにしました。しかし、いざ発達障害に関する病院を探し始めると、当時は新規受付をしているところが少なく、病院探しは困難を極めました。しかも、やっとのことで見つけた病院の初診は半年待ち。地域の支援センターにも確認しましたが、「対応がすぐには難しい」と答えが返ってきました。

結局、初診まで半年間待つことになります。息子の友達関係のトラブルが増えるなか、この半年間はヤキモキとした気持ちを抱えたまま過ごすことになりました。

発達障害専門の病院を受診し、まずは経過観察をすることに

やっとのことで迎えた初診では、息子の学校生活の様子を小学校の先生に書いていただいた観察書を病院に提出。そして、脳波の検査と問診を行いました。病院の先生からは、「この子は昆虫のことが好きでこだわりが強いですね。いわないと気がつかないままなので、声掛けをしてください。頭の回転は良さそうなので、様子をみましょう」と診断を受け、まずは経過観察となりました。

解決できることに目を向ける

「発達障害」という言葉に、抵抗を感じている方は多いのではないかなと思います。実は、わたし自身もいまだに抵抗があります。

「障害」という言葉は、「日常生活や社会のコミュニケーションに支障をきたす」「治るものではない」と一括りに捉えられがちです。しかし、色々な症状が絡み合ったタイプがあったり、診断名の線引きが難しいため「傾向が強い」といった判断をされたりするなど、当人によって「障害」の中身に違いがあることも事実です。

子供の診断名は、あくまで1つの特徴として捉えるくらいに考える。診断名を気にするよりも、解決できることに目を向ける。困っていること、親として苦しいことがあれば、思い切って人の力を借り相談する。過去に悩んでいた自分へ、今のわたしならそうアドバイスをしたいです。

※記事の内容は個人の経験談です


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※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

息子と娘2人の母です。凸凹の特性がある息子の中学受験が終了し、中高一貫校へ進学。現在は娘が中学受験に取り組んでいます。家庭学習、小中学校の生活、子育てについて日々の情報を発信しています。

中学受験体験・子育て情報ブログ「市川さんのおうちスタイル」
https://www.ouchistyle.net/

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