連載 発達障害&グレーゾーンの中学受験

#10 中学受験勉強中のテレビやゲームはどうしていましたか? ―― 親子で乗り越えた、発達障害&グレーゾーンの中学受験

2019年9月02日 市川 いずみ

発達障害&グレーゾーンの息子と中学受験に挑戦し、志望校合格を果たした市川家の中学受験録。どのように中学受験を乗り越えたのか、親子奮闘の軌跡をQ&A形式で聞きます。

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Question #10

中学受験勉強中のテレビやゲームはどうしていましたか?

Answer #10

テレビは録画して休憩時間に見ていました。ゲームは息子のモチベーションアップにつながりましたが、気持ちの切り替えができずに苦労しました

息子は小学4年生から塾に行き始め、中学受験勉強の息抜きに、録画したテレビを見たり、ゲーム機のDSで遊んでいたりしていました。「ゲームがあるから勉強も頑張れる」という面もありましたが、ゲームに夢中になってしまい、親子で決めたルールを破ってしまうことも……。とくに発達障害の凸凹タイプと診断された息子にとって、「気持ちの切り替えができない」「我慢が苦手なこと」は苦労のタネでした。

ゲームは、勉強のモチベーションになっていた

わが家では、テレビに関してはとくに問題はありませんでした。ゲームに関しても、始めは勉強のモチベーションになっていたようです。

テレビは、録画して空き時間に見ていた

わが家では、テレビ番組は基本的に録画していたので、息子はリアルタイムではテレビを見ず、空き時間に録画したものを見ていました。録画だとCMの時間が短縮でき、「1話見たら終了」など時間を区切りやすいので、今でも変わらずそのスタイルをとっています。

ゲームは、ルールを守ることを約束して買ってあげた

息子が小学4年生のとき、「塾がない日に友達と遊びたい。学校で盛り上がっているゲームの話題に入りたい!だからDSが欲しい!」と息子からお願いされました。ゲーム機はもともとあったのですが、持ち運びタイプのゲーム機は初めてだったので、ルールを守ることを約束して買ってあげました。

息子は、DSをやることを楽しみに、やるべきことをやっていました。勉強のモチベーションにもなっていたようです。塾で頑張ったご褒美に、「ゲーム時間延長券」をつくったこともありました。

息子の特性から、ゲームをすることがデメリットになったことも

ゲームがあることでメリットもありましたが、「気持ちの切り替えができない」「約束の時間を守らない」「我慢ができない」といった息子の特性から、ゲームをすることがデメリットになってしまったことが何度もありました。

息子はゲームに夢中になると現実から逃げてしまい、遊ぶだけ遊んだあとに「勉強する気になれない」と言って逃げてしまうことも……。そんなときは、”ルール違反”として数日間ゲームを禁止し、「ルールを破ると信用がなくなっちゃうよ」と息子に話していました。

息子の成長を期待して、ゲームを取り上げることはしなかった

「小学校で友達とゲームの話をしたい!」「勉強の息抜きや気分転換をしたい!」と、ゲームを続けたい理由があるのであれば、約束を守ることは当然のことです。ふつうであれば簡単なことですが、「約束を守ること」は息子にとって難しいことでした。

ルールを守らない息子に対して、「ゲームを渡さない」という選択肢もありました。しかし、発達障害の息子の特性を考えた結果、ゲームを取り上げることはしませんでした。息子にゲームを与えることで、以下のことを学んでほしいと考えていたからです。

・ルールを破ると結局は自分に降りかかってくること
・ルールを守ることの大切さ
・我慢すること
・気持ちの切り替え方

息子の特性がわかってくると、対応方法が見えてきた

わが家では、「ゲームをするルール」を子供と一緒に決めていました。しかし、息子も賢くなってくると、「ゲームの途中だからセーブできない」など、言い訳をしてくるようになりました。わたしもカチンときてしまい、言い合いになったことも。息子も「納得できない!」と反発してくるため、時間ばかり過ぎていきました。

本来、中学受験の息抜きだったはずのゲームが、ストレスの原因になってしまっていたんですね。しかし、息子の特性がわかるようになってきてからは、対応の方法が見えてきました。

・子供と決めたルールは紙に書いて貼る
・「ゲームをやりたいなら、何をしなくてはいけない?」と息子に考えさえる
・「ルールを守らないと、ほかの約束があっても信用できないよ」と息子に言い聞かせる
・「今の楽しみ」を優先させてしまうので、「将来的な損得」を考えさせる
・それでもルールを守らないのであれば、ゲームは渡さない

息子の口から“ゲーム封印宣言”が飛び出した

わたしは、勉強の気分転換にゲームを取り入れることは賛成でした。楽しみがないと、勉強がキライになってしまう可能性があるからです。しかし、ゲームをやめられないことがあると、親子トラブルの原因になり、息子にとっては我慢することが増えてしまいます。それならば、「最初からゲームを与えないほうがいいのかな……」と悩んだこともありました。

受験期間中は、ゲームと勉強の両立が難しく、親子で葛藤してきた日々でしたが、受験が近づくと、息子に”やる気スイッチ”が入りました。そして、自分からゲームをやめるようになったんですね。さらには、「ゲームをやらない!」という“封印宣言”も飛び出しました。

息子が自分で考えて、大好きなことを我慢した姿を見たのは、初めてだったかもしれません。ゲームを取り上げることを考えたこともありましたが、息子の成長を期待してゲームと付き合う道を選んでよかったと、今では思っています。

ちなみに中学生になった息子は、いまはスマホにゲームアプリを入れたいと言ってきます。しかし、息子の素行がよいとはいえないときがあり、許可していません。また、わが家では、スマホや家のゲーム機、PCを使うときは、時間制限をかけるようにしています。

少しずつ自分の特性もわかってきているようですが、相変わらず損得を考えず、今しか見ていない息子……。まだまだ葛藤を繰り返しています。

※記事の内容は個人の経験談です


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※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

息子と娘2人の母です。凸凹の特性がある息子の中学受験が終了し、中高一貫校へ進学。現在は娘が中学受験に取り組んでいます。家庭学習、小中学校の生活、子育てについて日々の情報を発信しています。

中学受験体験・子育て情報ブログ「市川さんのおうちスタイル」
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